2023年5月8日から新型コロナウイルス感染症は5類感染症となります。 次の新興再興感染症はまた現れるのでしょうか? 新型コロナは1918年のスペインかぜから約100年後に起こったパンデミックであったことから「100年に一度のパンデミック」と言われます。 では次の新型コロナのような規模のパンデミックはまた100年後なのでしょうか? 新興再興感染症とは?過去20年に世界で発生した新興再興感染症と死亡者数(Nat Rev Microbiol . 2022 Apr;20(4):193-205.より) 新興再興感染症とは、これまで知られていなかった感染症、または一度大きく減少していた既知の感染症のうち、急速に増加し公衆衛生に大きな影響を与えるものを指します。 過去20年間を振り返ると、2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)の流行に始まり、2009年の新型インフルエンザ、2012年のMERS(
(ウェブサイト「論座」が7月末で閉鎖されることになり、筆者の寄稿記事を補足の上、転載しています。) 1948年、英国は第2次世界大戦後の労働力不足を補うために、当時は植民地だった西インド諸島から若者たちを招いた。希望に胸を膨らませてやって来た若者たちは、社会の現実と格闘しながら生活を築き上げていった。歴史の一こまを垣間見ることが出来る文書の数々を、英国立公文書館で開いてみた。 *** 英国立公文書館の保管書庫に、「MEPO31・21」と題されたファイルがある。「MEPO」は「Metropolitan Police(ロンドン警視庁)」を指す。ある事件の捜査ファイルだ。 閲覧を請求してみると、ずっしりと重い箱を渡された。箱を開けると、警視庁の捜査報告書、紙面が色あせた様々な新聞の切り抜き、写真などで一杯だ。一連の書類は1970年から71年まで続いた「マングローブ事件」に関わるファイルだった。数
(英国在住日本人向けの雑誌「英国ニュースダイジェスト」の筆者コラムに補足しました。) 数々の児童文学の名作を持つロアルド・ダール(Roald Dahl 1916~90年)の作品を読んだことがあるだろうか。 「チョコレート工場の秘密」(1964年)は、近年では米俳優ジョニー・デップ主演で映画化されたが、ダールは英国で最も人気があるファンタジー小説および児童小説の作家の1人である。 ロアルド・ダール(写真:Shutterstock/アフロ) 今年2月、ダールの複数の作品が出版社によって「書き換えられていた」ことが発覚し、大きな議論が発生した。 デイリー・テレグラフ紙の調べによると、ダール作品の出版社パフィンはジェンダー、肥満、メンタル・ヘルスにかかわる数百にも上る表現を変更し、新バージョンとして発行していた。 例えば「太い」(fat)という言葉が作品から削除され、「少年と少女」が「子どもたち」
(※本稿の「前編」はこちら) ・マンガ・アニメ・ゲームの国際拠点は本当に作れるの? 「MANGA議連」に聞いてみた(前編) 法制化は断念、新たな方法で施設の建設実現を目指す2017年11月に超党派の国会議員で結成されたMANGA議連(最高顧問:麻生太郎議員、会長:古屋圭司議員)が建設を目指す、マンガ・アニメ・ゲームの国際拠点やアーカイブを可能とする施設「メディア芸術ナショナルセンター(仮称)」。 MANGA議連では、長らくその実現に向けた法制化を進めていたが、共産党が「国会図書館は立法府であって行政府ではないのに、それが行政府の下に入るのは三権分立に反する」を根拠に反対の姿勢を崩さないためペンディングが続いていた。 そこでMANGA議連は、2022年12月に開催した役員会で法制化を断念し、当初の方針を大きく変える決断を下した。 では、今後はどのような方針で施設の建設を目指すのか? MANG
2014年11月18日に設立された、超党派の国会議員によるマンガ・アニメ・ゲームに関する連盟「MANGA議連」は、2022年12月時点で48人の議員が加盟している。 MANGA議連の活動目的は、漫画、アニメ・特撮およびゲームを文化資源とした、人材育成や産業振興、アーカイブなどの環境整備や促進で、その一環としてミュージアムやイベント施設などを併設した国際的拠点「メディア芸術ナショナルセンター(仮称)」建設の法制化を進めてきた。 だが本法案は、議連の誕生からすでに8年が経過したがいまだに成立していない。また、これまでのMANGA議連の活動状況は、主に新聞で散発的に報道されてはいるものの、その実態はほとんどの人が知らないように思われる。 私見で恐縮だが、筆者は今までにゲームアーカイブ関連の活動を何度も取材し、自身もアーカイブ関連事業をいくつか携わった経験から言えば、ゲームの恒久的なアーカイブを可
福井県鯖江市の民家でニホンオオカミのものと先祖代々伝わってきた頭骨が、このほど福井市自然史博物館に寄贈され、調査の結果本物と判明した。頭骨は、病人の枕元に置いて魔よけとしたり、治癒を祈って貸し出したりといった「オオカミ信仰」に使われてきたもので、伝承通り、室町時代から江戸時代初期の1600年前後のものと推定されるという。 頭骨は長さ23センチで、全長1.2メートル程度の成体とみられる。上あごの右部分が一部欠けている。一般的な犬の頭骨より二回りほど大きく、これまでに見つかったニホンオオカミと比べても大きいという。全体が黒色なのは、いろりのすすなどが付着したためとみられる。 ニホンオオカミは明治時代に絶滅したとされ、博物館など公的機関で保存されている頭骨は、数十点しかないという。福井で生きていたとみられるニホンオオカミの頭骨は、国立科学博物館と県立若狭歴史博物館に収蔵される計3体のみで、4例目
2月11日に開催された第111回入札誌「銀座」から、50円玉の落札結果を取り上げます。いったいいくらになったのか、そしてなぜ高い金額がついたのか解説します。 普段使う50円玉が115万円になるかもしれない。そんな夢のある出来事が発生しました。 【画像】115万円に大化けした50円玉 これは、2023年1月20日~2月11日に開催された第111回入札誌「銀座」の落札結果です。一体なぜこんな高額の取引となったのでしょうか? そこには、エラーコインであること、発行枚数が少ない特年であったこと、完全未使用レベルであったこと、この3点が絡んでいます。 ◆「特年」で「エラー」、「完全未使用」は大珍品今回の入札誌「銀座」でひそかに注目していたのが、Lot番号560の昭和62年50円玉です。実はこの昭和62年の50円玉、お財布の中身を確認してもまず見つかることはありません。なぜならば、昭和62年の50円玉
最近、国際関係の大学や学部の人気が低迷している。東京外国語大学(東京都府中市)の2023年度前期日程試験の志願者は前年度比で74%に急減した。倍率が1.1倍の専攻もある。コロナ禍による各国の出入国規制が長引き、若者が海外と接触する機会が失われたことが大きな原因だという。さらに、今春から数学の2科目受験を必須としたことが影響した、という報道もある。なぜ、東京外語大は数学を重視するようになったのか、青山亨副学長に聞くと、近年、人文社会系の学問の世界が大きく変わり、同大がデータサイエンスの最前線にあることを強く感じた。 【写真】インタビューに答えた東京外国語大学・青山亨副学長 * * * 東京外語大は23年度入試から大学入学共通テストの利用科目「数学」を1科目から2科目に増やした。 従来は「数学(1)(数学I・数学Aなど)」「数学(2)(数学II・数学Bなど)」のいずれかを課していたが、
仙台市地下鉄東西線の駅に「六丁の目」という、不思議な名前の駅があります。「新宿三丁目」「六本木一丁目」のように、「丁目」は街区の整理番号として地名に広く用いられ、それが駅名になるケースも多いですが、仙台にある駅はなぜ「六丁目」ではなく「六丁の目」なのでしょうか。 【駅の近くにある「六丁の目」の正体】 「六丁の目」という地名は、公式には江戸時代からすでに「六丁の目村」として存在し、1889(明治22)年の町村合併で「宮城郡七郷村」の一つの字名となり、仙台市になったあとも「六丁の目元町・北町・中町・南町・東町・西町」として残っています。つまり、その誕生のメカニズムは一般的な「〇丁目」とは異なっています。 歴史資料をひもとくと、本来は「六丁の名」あるいは「六丁の銘」だといいます。鎌倉時代に新しい仏教宗派「時宗」を立てた一遍上人が、諸国を回って念仏を広める中で、この地で石に「南無阿弥陀仏」という6
2001年のサービス開始から21年。Suica(スイカ)エリアがようやく岩手・秋田・青森3県に広がる。その裏にあるのがクラウド処理という新たな技術。チケットレス化は新たな段階に入る。 【関連画像】QRコードで乗車する際のイメージ画面。えきねっとで乗車券を購入し(左)、QRコードを表示させる(右) 「Suica エリアデビューまで あと○日」――。岩手県、秋田県、青森県の主要駅に今、こんなカウントダウンボードが掲げられている。 2001年11月にICカード「Suica」のサービスが開始されて21年が経過した。だが実は、開発元であるJR東日本の管内ですら、地方を中心にSuicaを利用できない在来線がまだ多い。5月27日に盛岡駅を中心とする18駅、秋田駅を中心とする17駅、青森駅~弘前駅の10駅(以上を北東北3エリアと呼ぶ)でサービスが始まり、Suicaの利用可能エリアがようやくJR東管内のすべ
東日本大震災の後、東北の津波被災地では「怪談」があちこちで聞かれるようになった。見知った人が立っていた、亡くなった父が呼んでいた……。自然災害が多い日本だが、なぜ3.11で被災した東北では「怪談」が多いのか。実際に不思議な体験をした人たち、各地での「怪談」を聞き取ってきた怪談作家や東北民俗学に詳しい出版社代表らに話を聞いた。(文・写真:ノンフィクションライター・山川徹/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部) “異変”の翌日、遺体や遺骨が寺へ尾浦(おうら)漁港から300メートルほど坂を上った高台。護天山保福寺は、宮城県女川町の曹洞宗の寺院である。震災のあった2011年3月11日まで尾浦集落には約180人が暮らし、銀鮭の養殖が盛んに行われた。だが、あの日の津波に浜は丸ごとのみ込まれ、19人が犠牲になった。住民たちは高台移転などで浜を離れた。家々があったかつての集落で生活するのは被害をま
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く