カトリックの総本山であるバチカン市国で二十三、二十四両日(現地時間)、一九五七年に能楽宝生流で初演し、六三年に一度だけ再演されたのを最後に封印された宝生流唯一のキリスト教の演目「復活のキリスト」が上演される。日本とバチカンの国交樹立七十五周年の記念公演で、シテ(主演)のキリストを二十世宗家、宝生和英(かずふさ)(31)がつとめる。和英は「能は宗教を超え、相互理解を重んじてきた。あらゆる信仰の人たちに鑑賞してもらいたい」と話す。 (藤浪繁雄) 世界各地でテロや紛争が相次ぎ、国際情勢が不安定化する中での公演に、和英は「能は歴史的にいろいろな文化を吸収し、柔軟性がある懐が深い芸能。それだけに意義がある」と強調する。 六百五十年ほどの歴史を持つ能は、日本に伝来するまで洋の東西の影響を受けながら発展してきた。日本では神仏習合に適応し、さまざまな宗教や神も受け入れてきた。例えば、天下太平を祈る「翁(お
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