元年は脱したが、まだ見通せないところは多くある。PAGE2010報告(2) PAGE2010コンファレンス2日目のC1セッション「新たなビジネスチャンスを生み出す電子書籍市場」では、毎年のように「電子書籍元年」と関係者は言っていたのが、今になって本当にそう感じられるようになったという話から始まった。最初に情報通信総合研究所の水野秀幸氏がアメリカの様子を報告し、1月のCESで成長が期待される分野の4番目にeReaderが上がっていることを挙げた。AmazonのKindleがブームなわけだが、これらの類似デバイスは非常に増え、本のための「iPod」というような理解で総称としてeReaderと呼ばれているという。後に日本でこれをどう呼ぶかについてイーストの藤原隆弘氏が電子コンテンツリーダーがいいのではないかといっていた。 AmazonのKindleを追うように、Sonyや本屋のBarnes&No
【PAGE2010】Adobeプラグイン製品のデモ展示やDTP関連の無料セミナーを開催。 ■構成:セミナーゾーン/展示ゾーン ■会場:>展示ホールD(文化会館2F) デジタルワークフロー・ソリューションを見て・聞いて・感じる事によって、ユーザーはどのような成果を得ることができるのか。具体的な事例等を紹介する事によって、"DTP・デジタルワークフローやクロスメディアビジネスの今後"に触れる事のできるZONEを設定いたしました。 協力:アドビシステムズ株式会社
印刷原点回帰の旅 ―(6)科学の恩恵として活字― キーワード: プレス 木活字 膠泥活字 鋳造技術 合金配合技術 ルネッサンス3大発明 何故、印刷や新聞のことを「プレス」というか、知っているだろうか。この言葉は、グーテンベルクの活版印刷に由来する。グーテンベルクが発明した印刷機には、ワインを作るときに使う葡萄圧縮機(プレス)が用いられていた。そのため、次第に加圧(プレス)されたものをプレス(印刷)と呼ぶようになった。プレスという言葉が印刷そのものを指すようになるぐらい、現在の印刷とはグーテンベルクの発明を基礎に成り立っているということである。印刷機・活字・インクのセットをグーテンベルグの発明というが、実際全てを彼が発明したわけではなく、それまでにあった技術をシステムとして集大成したものである。 しかし、このシステムにこそ備わった他にはないものがプレス機の使用である。だが、このシステムの最大
印刷原点回帰の旅 ―(5)近代印刷術の起こり― キーワード: 聖書 ラテン語 ルネッサンス 活版印刷 人文主義 自然科学 宗教改革 メディア 今回は、西洋の印刷について見ていこう。西洋での印刷のはじまりは、中国と比べるとずっと遅く、1445年のグーテンベルクの活版印刷の発明を待たなくてはならない。中国の拓本と比べるなら約2,500年、木版と比較しても約7~800年もの後のことだ。 前回のコラムで書いたように、皇帝の権威や正統性を表し広めるために拓本という印刷が始まったことを考えると、西洋でも王や司教らが同じような発想で印刷物を作っていても決しておかしくないし、聖書という印刷に値する聖典もあった。それに加え、紙が中国から西洋に伝わったように、印刷物も同時に伝わっていたはずである。にも関わらず、印刷は西洋ではなかなか発展しなかった。 話は、ローマ帝国まで遡る。ローマ帝国では、313年のキリスト
読めないものを何とかして読もうという志向が組版を発達させた。リテラシーを向上させた結果として、より難しいものを読むニーズも起こる。 かつては活版の職人の頭の中にしかなかった文字組版の規則が、写植の時代になり、コンピュータ組版の時代になりと、基礎技術が変化していく中でも、なんとなく継承発展できたのはなぜだろうか? それは文字の読みやすさには、漠然ではあるが背後に大原則のようなものがあって、全く異なる環境下にあっても似たようなことを志向するのだと思える。このことを飛躍して言うと、文字組版も人間工学的な発展をする、と断言できる。 そもそも日本の文字組版が、漢字の本場の中国や、活字の発祥のヨーロッパよりも複雑になったのは、日本が隣国の漢字も、ラテン文字も日本語と一緒に使うようになったからである。日本は世界的に見ると例外的に外国語歓迎の文化であったともいえる。しかし外国語を頻繁に使うことは自国内のコ
和文組版,その来し方行く末 〜いまだからこそ「こだわり」とその背景を知ろう〜 プロとして組版に関わっていく第一歩は、「ルール」や「方法論」を丸暗記することではなく、その背景を知ることである。このルールや方法論は試行錯誤の結果であり,機器の制約や経済情勢の妥協点の産物でもあります。その理由を知ることが将来の日本語文字組版の発展につながるのだろう。 編集者で日本エディタースクールの講師も務める大西哲彦氏に話を聞いた。 Q: 現在、印刷博物館(東京)の企画展として「ヴァチカン教皇庁図書館展」(書物の誕生〜写本から印刷へ)が開催されていますが、改めてこれらを眺めてみますと、複製術としての印刷技術以前(グーテンベルグ)に、高度な表現技術がすでに確立されており、書物の原型ができあがっていることに驚かされます。日本ではやっと組版についてのルール(JISX4051)ができた状態ですが、このギャップをど
印刷原点回帰の旅 ―プロローグ 印刷史が欠落させていたコト― キーワード:言葉 表意文字 複製 文化の共有 1445年にグーテンベルクが活版印刷術を発明してから564年。「このシステムは当時、急速に普及して大量の印刷物を生み出し、情報伝播の速度を飛躍的に向上させた」といった話は、誰もが歴史で学んできたことだろう。教科書でなくとも、印刷の歴史について書かれた本をみてみると、ほとんどの場合、「グーテンベルクの金属活字の技術とはどのようなものか」、「金属活字は誰が最初に発明したか」、「どんな印刷物に使われていたか」といった内容になっている。最初に印刷された『グーテンベルク聖書(四十二行聖書)』は特に有名であり、そのうちのいくらかは今なお保存されている。当時の印刷技術についての研究は今でも続いており、その最新情報は絶え間なく世界に伝えられ、日本にも入ってきている。 このように印刷史は、ある意味即物
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