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  • 昭和3年11月16日 五節の舞姫一覧

    このBlogは、私が物語研究の途上で出会った様々な発見や、物語をともに学ぶ人々との出逢いを綴ったものです。ごらんのみなさんにも物語文学の深遠なる森の如き世界の一端をお知りいただければ幸いです。 来年行われる大嘗祭。関連行事として行われるであろう豊明節会(とよあかりのせちえ)のクライマックスはやはり「五節の舞」。清少納言、紫式部も、この行事に関する記述は詳細で、特に舞姫に関しては、約10分間の舞による肉体的消耗の激しさに筆が及んでいることは、よく知られている。 三巻『枕草子』85段 正暦4年(993)11月、中宮定子が五節の舞姫を選出した年の、最終日15日・辰の日の豊明節会の様子を記したくだりは以下のとおり。 ○ 果ての日も、負いかづきいでも騒がず。 『紫式部日記』寛弘5年(1008)11月21日条 ○ 舞姫どもの、<いかに苦しからむ>と見ゆるに、尾張守のぞ、心地悪しがりて往ぬる、夢のやう

  • 聖徳大学言語文化研究所主催講演会「平安時代の音楽伝承」を開催します

    このBlogは、私が物語研究の途上で出会った様々な発見や、物語をともに学ぶ人々との出逢いを綴ったものです。ごらんのみなさんにも物語文学の深遠なる森の如き世界の一端をお知りいただければ幸いです。 平安時代の音楽伝承 日 時 令和5年3月4日(土)13:00~15:00 タイトル 平安時代の唐楽・高麗楽 正道寺康子 紫式部の楽才 上原作和 『源氏物語』の陵王 笹生美貴子 『教訓抄』における楽器の諸相 森野正弘 開催方法 ①対面参加(7308教室・定員50名) 12時30分から受付開始 ②「Zoom」によるオンライン配信(定員300名) 12時45分からアクセス可能 ※事前申込先着順。定員に達し次第、受付終了。 申込方法 参加ご希望の方は、以下の申込フォームにアクセスの上、事前申込みをお願いします。 申込みフォーム:https://ssl.form-mailer.jp/fms/f6ba14e37

    聖徳大学言語文化研究所主催講演会「平安時代の音楽伝承」を開催します
  • 国文系出版社の系譜

    このBlogは、私が物語研究の途上で出会った様々な発見や、物語をともに学ぶ人々との出逢いを綴ったものです。ごらんのみなさんにも物語文学の深遠なる森の如き世界の一端をお知りいただければ幸いです。

    国文系出版社の系譜
  • 阿部秋生『完本源氏物語』の今日的位置

    このBlogは、私が物語研究の途上で出会った様々な発見や、物語をともに学ぶ人々との出逢いを綴ったものです。ごらんのみなさんにも物語文学の深遠なる森の如き世界の一端をお知りいただければ幸いです。 今日、最も広範に流布する『源氏物語』の文は、阿部秋生先生(1910-1999)が中心となって校訂した、小学館の『全集』(1970-1976)『完訳』(1983)『新編全集』(1994-1998)である。うち、『完訳』からは鈴木日出男先生(1938-2013)が加わり、文も一部底を差し替え、注釈・現代語訳も一新され、特に後者はこなれた訳文となっていることは、すでに論攷もあるところだ。 最初の『全集』は昭和40年代の秋山、今井源衛(1918-2003)門下の院生たちが注釈と現代語訳の下原稿を作り、秋山先生が最終稿を作ったと側聞する。現代語訳の下原稿を作成した研究者に直接お聞きした話もあるが、今は記

  • 長野嘗一の小説家・池田亀鑑評

    このBlogは、私が物語研究の途上で出会った様々な発見や、物語をともに学ぶ人々との出逢いを綴ったものです。ごらんのみなさんにも物語文学の深遠なる森の如き世界の一端をお知りいただければ幸いです。 長野嘗一「小説家・池田亀鑑」(「学苑」218.219.221号、昭和女子大学光葉会、1958年5月~1958年8月)は、結果的に全生涯を辿った評伝。三年後、新たに書き下ろされた 「源氏物語とともに-池田亀鑑の生涯(1~4)」『立教大学日文学』7-10号、1961年11月~1963年6月)と内容的にかなり重複しています。また、後者の末に「前編終わり」とあるものの、後編は未刊に終わりました。なかには、評伝と言うより、創作的なところもあり、他の文献と齟齬するところもありますが、現時点ではもっとも詳細なものと言えるでしょう。小説家時代を長野嘗一は以下のようにまとめています。やや辛口の感がありますが、小説

    長野嘗一の小説家・池田亀鑑評
  • 白紙の便箋論争

    このBlogは、私が物語研究の途上で出会った様々な発見や、物語をともに学ぶ人々との出逢いを綴ったものです。ごらんのみなさんにも物語文学の深遠なる森の如き世界の一端をお知りいただければ幸いです。 「論文演習」は「手紙の歴史」最終回。パワーポイントから抜粋してみます。みなさんは如何お考えですか?この論争の後、原田先生が「先日はどうも…」と仰りながら尋ねてこられたことを、この間のことのように思い起こせます。論争の女性はぼくよりも三つ年下。凄い自信でしたね。それに対して大人の対応とはこういうことを言うのでしょうか。 白紙の便箋論争�朝日新聞声欄 平成二年(一九九〇) 白紙の便箋   七月二十一日 土曜日前橋市 原田種成 (大学講師 79歳) 白紙の便箋(びんせん)が一枚余分に入っている手紙が時々届く。なぜそうするのかと聞くと「手紙の書き方」というに書いてあるからという。調べてみると、「便箋は二枚

    白紙の便箋論争
  • 折口信夫「源氏物語と歌舞伎」-東海大学桃園文庫展より

    このBlogは、私が物語研究の途上で出会った様々な発見や、物語をともに学ぶ人々との出逢いを綴ったものです。ごらんのみなさんにも物語文学の深遠なる森の如き世界の一端をお知りいただければ幸いです。 東海大学にも出講されている、後輩にあたる中国語の先生から、湘南キャンパス附属中央図書館で「桃園文庫展・池田亀鑑の仕事」開催のポスターを見たとのお話があり、調べてみると、1月末までの開催ながら、年内で時間が取れる時は今日、とばかり、予定を変更して出掛ける。とは言っても片道約3時間。荻窪の故人は何年も通っていたのだから、仕事であれば苦にならないのでしょう。 学科創設50周年、生誕120年、没後60年の節目の年に当たり、「東海大学藏桃園文庫目録完成記念」でもあると言う。垂涎のこの目録は、上中巻とはさんで下巻は27年後の一昨年の刊行。未刊の巻と思いこんでいたところ、数年前、編修追い込みと聞いて吃驚、多くの知

    折口信夫「源氏物語と歌舞伎」-東海大学桃園文庫展より
  • 秋山先生に教えていただいたこと。

    このBlogは、私が物語研究の途上で出会った様々な発見や、物語をともに学ぶ人々との出逢いを綴ったものです。ごらんのみなさんにも物語文学の深遠なる森の如き世界の一端をお知りいただければ幸いです。 秋山虔先生が亡くなられた。最後にゆっくりお話ししたのは、二年前の学習院女子大学の中古文学会であったと思う。二日目の発表終了後、工藤重矩先生の国冬の報告で、ボクや陣野さん、加藤昌嘉さんが質問していたこともあって、「文の問題は難しいね。僕は書誌学の専門的な勉強をしてこなかったから」と仰り、貴重書の展観をご一緒して能因『枕草子』や天福『伊勢物語』を、あれこれ蘊蓄を傾けながら熟覧していたところ、院生さんたちが遠巻きにそのやりとりを聞いていた。そのまま西早稲田駅に向かい、副都心線での帰り道、「そう言えば、萩谷先生のテレビに出ている息子さん、お父さんに似てきたね~」とにこやかに笑っていらしたのだった。

    秋山先生に教えていただいたこと。
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