ブックデザイナー佐藤亜沙美さんが『本の装丁』デザインで大切にしてきたこととは?8年間在籍していたコズフィッシュでの日々に今の姿勢を決める「金言」があった——。 念願だった、祖父江慎さんの事務所へ 人気ブックデザイナーである佐藤 亜沙美さん。彼女がこの道を進むきっかけから語ってくれた。 ときどき「これは自分のために書かれた本だ」と感じる本と出会うことがあります。 ちょうど21歳のとき、広告デザインの仕事をしていて、表現方法を探しに、毎日、本屋に通っていました。その時期に思わず手に取ってしまう本と、手に取らない本があって。 ある日、私が手に取る本のほとんどが「祖父江慎」というブックデザイナーの方がデザインを担当されていることに気がつきました。祖父江さんが担当された本は堅い印象の本もあるなかで圧倒的な個性を放っていました(笑)。 当時、広告デザインに対して、どこか迷いを感じていたんです。不特定多