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ブックマーク / chuokoron.jp (7)

  • 豊田恭子 分断社会アメリカで図書館が果たす役割とは【著者に聞く】|文化|中央公論.jp

    ──アメリカ図書館について書こうと思ったきっかけは何ですか。 2017年に初めてALA(アメリカ図書館協会)の年次大会に行き、アメリカ図書館の存在の大きさ、ライブラリアンたちが自信に満ちていろいろなことを語り合う姿に衝撃を受けました。もともと私には、日では図書館を支える仕組みがうまくいっていないのでは、という問題意識があり、アメリカ図書館制度の歴史的発展を調べて書きたいと考えたのです。 ──フレデリック・ワイズマン監督の映画『ニューヨーク公共図書館エクス・リブリス』(2019年日公開)も話題になりましたね。 映画が大ヒットしたのは嬉しいことで、このを書くモチベーションの一つにもなっています。ただ、あの作品には一切説明がないので、「なぜ図書館音楽会が行われているのか」「話し合いをしている人は誰か」などが分かりません。そこで、このようなことが可能になった背景を書こうと思いました。

    豊田恭子 分断社会アメリカで図書館が果たす役割とは【著者に聞く】|文化|中央公論.jp
  • 平山亜佐子 断髪とパンツーー男装に見る近代史 「変成男子」「異風女」さまざまに呼ばれた江戸後期の男装者たち|連載|中央公論.jp

    明治から戦前までの新聞や雑誌記事を史料として、『問題の女 荘幽蘭伝』『明治大正昭和 化け込み婦人記者奮闘記』など話題作を発表してきた平山亜佐子さんの、次なるテーマは「男装」。主に新聞で報じられた事件の主人公である男装者を紹介し、自分らしく生きた先人たちに光を当てる。 自分らしく生きた先人たち 今月から「断髪とパンツーー男装に見る近代史」と題し、明治から昭和にかけて新聞や雑誌などメディアを通して伝えられた男装者の記事を時代順に見ていく連載を始める。 筆者はおもに明治から昭和十年ごろまでの新聞や雑誌記事を読むことが好きで、戦前期の女性や文化に関するを今まで5冊ほど書いてきた。 とくに2009年に『明治大正昭和 不良少女伝 莫連女と少女ギャング団』を書いたときに目についたのが、男装者の事件記事。 そのとき初めて、クロスドレッサー(ここでは生得的身体と違う性別の服飾をまとう人々を指す)たちが1

    平山亜佐子 断髪とパンツーー男装に見る近代史 「変成男子」「異風女」さまざまに呼ばれた江戸後期の男装者たち|連載|中央公論.jp
  • 今井むつみ×秋田喜美×千葉雅也 「言語の本質」の謎に迫る|文化|中央公論.jp

    知らずしらずのうちに身に付ける言語だが、私たちはどのような言葉をどういう順番で覚えるのか。オノマトペのように音と意味のつながりが感覚的に腑に落ちる言葉と、無関係に思える言葉が存在するのはなぜか。発達心理学、言語学、哲学、それぞれの立場から専門家三人が語り合った。話題は議論の前提になっている質主義という考え方にまで発展した。(この鼎談は代官山 蔦屋書店主催、中央公論新社共催・協力により、9月22日に代官山 蔦屋書店で行われたものです) (『中央公論』2023年12月号より抜粋) 言葉の原初に身体性がある 千葉 『言語の質』は刊行後すぐに読み、オノマトペから言語の真相に生き生きと迫る様子が面白いとSNSで紹介したのがきっかけで、今回、お声がけいただきました。今日は哲学の観点から、書について両先生とお話しできればと思っています。まずは、お二方が書を執筆された経緯を伺えますか。 今井 「近

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  • 今井むつみ 言語習得に見る知性の本質|社会|中央公論.jp

    ユーザーが問いかけた質問に対してほぼ的確な答えを生成できる対話型AIChatGPTが話題だ。人間の使うことばとは何が違うのか。どう使いこなせばいいのか。オノマトペや「記号接地」をキーワードに、今井むつみ慶應義塾大学教授が語る。 (『中央公論』2023年7月号より抜粋) 赤ちゃんに易しく外国人に難しいことば ──子どもはことばをいかに覚えるのかを研究する今井さんですが、今回はAI言語学習との比較などを通して、両者の違いについて伺います。まず、最新刊『言語の質』では、日語を話す人はオノマトペを言語習得の足場とするとのことでしたが、どういうことなのでしょうか。 英語は日語のようにオノマトペが体系化されていませんが、だからといって英語が音と意味のつながりが薄い言語というわけではありません。英語には音の感触が織り込まれた動詞が多いんです。例えばtickle(くすぐる)。語感に日語でいう「

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  • 『変革する文体──もう一つの明治文学史』木村洋著 評者:栗原悠【新刊この一冊】|文化|中央公論.jp

    評者:栗原 悠 現在我々が知っている星座とは、古代メソポタミアの人々がひときわ輝く星と星を結んでいきながら描いたそれが原型になっているという。星座そのものは特に天文学上の意味を持たないが、たとえばオリオン座の形をひとたび覚えてしまうと、人はなかなかその認識から離れて自由に星空を見ることができない。 ところで試みに今から150年余前、すなわち明治が始まる前後に生まれた文学者たちを星座のごとく並べてみたとき、徳富蘇峰(そほう)という人物はどのように見えるだろうか。 総合雑誌のさきがけ・『国民之友』や『国民新聞』を創刊するなどもっぱらジャーナリスト・評論家として知られ、自ら創作を手がけたわけではない彼は、近代文学史ではベストセラー『不如帰(ほととぎす)』や『自然と人生』の著者である徳冨蘆花(ろか)の兄として、せいぜいがその近傍にちらつく存在に過ぎなかったのではないか。仮に取り上げられるにしても、

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  • 大道晴香 触れ得ない存在となった現代のイタコ 失われた「死者の声を聞く日常」|歴史|中央公論.jp

    多くの人が知るイタコの存在。そのイメージはどのように形成されてきたのか――。『「イタコ」の誕生』の著者でもある大道晴香さんが、歴史的背景を読み解いていきます。 (『中央公論』2022年5月号より抜粋) 「イタコ」という存在 「巫女(みこ)」と聞いて、あなたは何を思い浮かべるだろうか。白い小袖に緋袴(ひばかま)を着けた、神前で奉仕するうら若き女性――多くの人が思い浮かべるのは、やはりこの姿ではないだろうか。私たちが日頃、巫女と接する機会といえば、初詣などの折にお守りやおみくじを求める時、神社を参詣する時が定番だろう。ところが、そんな「神社の巫女さん」とは異なる、もう一種の巫女が存在している。それが今回取り上げる、イタコと称されるような女性たちである。 イタコは、青森県から岩手県北部・秋田県北部の地域に根差してきた、在野で活動する巫女だ。テレビなどのマスメディアを通じて、知っている人も少なくな

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  • 『性からよむ江戸時代』沢山美果子著 評者・武井弘一 【新刊この一冊】|文化|中央公論.jp

    評者:武井弘一 ヒトのいのちの価値は平等であると、誰しもが思う。だが、今からさかのぼること二世紀前の江戸後期であったならば、どうだったのか。 東北地方のある農村で、百姓のが初産をむかえていた。赤ん坊が産声をあげようとする寸前に、頭ではなく、手が先に出てきたのである。「この症状で生きたという人を、まだ聞いたことがありません。もはや死ぬだけ」。彼女自身は息をひきとる覚悟をするものの、医者たちが全力をつくして一命をとりとめた。 その陰で、胎児のいのちは犠牲になったとみられている。なぜなら、母と子のいのちを天秤にかけたときに、江戸時代の出産では母の方が優先されていたからだ。庶民のあいだに「家」を守る意識がひろまっていたことが、その根底にはあった。 たとえば、母さえ助かっていれば、また子を産んで家を潰さずにすむ。それに農家を営むうえでも、女性は働き手としてかかせない。つまり、生殖と労働の両面から、

    『性からよむ江戸時代』沢山美果子著 評者・武井弘一 【新刊この一冊】|文化|中央公論.jp
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