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ブックマーク / note.com/hosodanarushi (3)

  • カンパニー社が示すマイナー音楽流の出版活動——音楽批評の現在地を探る特別対談・完全版|細田成嗣

    カンパニー社という音楽系出版社をご存知だろうか。2019年に1冊目の書籍としてジョン・コルベット著『フリー・インプロヴィゼーション聴取の手引き』を世に送り出すと、リスナーのための即興音楽の入門書という国内では類例のない内容が一部界隈で大きな話題を呼んだ。翌2020年にはアメリカの奇才芸術家ハリー・スミスのインタビュー集であるラニ・シン編『ハリー・スミスは語る 音楽映画/人類学/魔術』を刊行。20世紀半ばのフォークリバイバルに多大な影響をもたらしながらも、多岐にわたる活動からこれまでほとんど謎に包まれてきたハリー・スミスの全貌へと迫る一冊に仕上がっており、音楽ファンを超えてさまざまな読者層から注目を集めることとなった。他にも、パン職人から即興演奏家まで多様な制作者たちのインタビューを集めた津田貴司編著『風の人、木立の人』、あるいは各国のフリー・ジャズのディスクガイドの体裁をとった自由爵士音

    カンパニー社が示すマイナー音楽流の出版活動——音楽批評の現在地を探る特別対談・完全版|細田成嗣
  • 反戦という紐帯、あるいはいかにして「音楽の力」と向き合うか——個々別々の人間が同じ場に居合わせることの可能性について|細田成嗣

    反戦という紐帯、あるいはいかにして「音楽の力」と向き合うか——個々別々の人間が同じ場に居合わせることの可能性について 耳をそばだてるも音楽が居場所を失った世界。そうした世界を正しく想像することができるだろうか。戦火に曝された人々にとって音は生き延びるための重要な手がかりである。周囲の環境音に耳をそばだて、いつ訪れるとも知らぬ敵機の襲来を敏感に察知し、場合によっては即座に安全な場所へと逃げ込まなければならない。実際に二度の世界大戦においてこうした耳の技法は軍事力の一つとして要請されていた。敵機の音を聴き取るための空中聴音機が導入され、どのような種類の戦闘機がどのような位置に飛来しているのか聴き分ける耳の訓練が重要視された——そのために4枚組のSP盤『敵機爆音集』も作られている。むろん聴覚を研ぎ澄ますまでもなく、目と鼻の先で轟く爆撃音は死が間近に迫っていることを知らせる危険信号でもある。音は生

    反戦という紐帯、あるいはいかにして「音楽の力」と向き合うか——個々別々の人間が同じ場に居合わせることの可能性について|細田成嗣
  • 身体、楽器、空間、時間の関係性を音で探る「独奏」の試み——松丸契、インタビュー|細田成嗣

    自身のリーダー・カルテットやblank manifestoのほか、SMTKやm°feなど複数のバンド/プロジェクトで活躍する気鋭のサックス奏者・松丸契が、2020年からソロ・インプロヴィゼーションのライヴ・シリーズに取り組んでいる。シリーズの名称はそのものずばり「独奏」だ。毎回約90分間、休憩を挟まずサックス一を手にアコースティックな響きだけを用いて演奏を行っており、静謐でサイン波のようなロングトーンから苛烈でノイジーなフリークトーンまで自在に操りつつ、何らかのモチーフとなるフレーズを即興的に繰り返すことでじっくりとそして有機的に変形/変奏していく音楽内容は、ストイックでありながら他に代え難いダイナミックな体験を聴き手にもたらす。同時にこうしたサックスが発するフレーズの妙味にとどまらず、音が空間内を飛び交い、壁面や天井、時には会場に設置されたピアノやドラムセット、あるいは客席の椅子、観客

    身体、楽器、空間、時間の関係性を音で探る「独奏」の試み——松丸契、インタビュー|細田成嗣
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