海外のミュージシャンのインタヴューを読んでいると、トラブルをそこまで赤裸々に語ってしまうのか!と思うことが少なくない。日本人ならば、公言するのを憚るような内部的なトラブルも、彼らは躊躇なく語る。バンド内の揉めごともアルバム制作が抱えた問題も。そして、時にそれは、リスナーを当惑させるものにもなる。 ニルヴァーナの『イン・ユーテロ』は、まさに、そんな当惑を伴ったアルバムだった。1993年9月に発表された三枚目のオリジナル・アルバムで、巨大なヒット作となった1991年の『ネヴァー・マインド』のフォローアップでありながら、まったく違う方向性のプロダクションに進んだ作品でもある。僕の場合は、『ネヴァー・マインド』に熱狂する友人達を醒めた目で見ていたのが、その『イン・ユーテロ』を聞いて、急激にニルヴァーナというバンドに興味を惹かれた。1993年11月にはリリースに合わせた全米ツアーを観た。その年のアル
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