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ブックマーク / sivad.hatenablog.com (11)

  • 学会声明をもう一度、考えなおそう - 赤の女王とお茶を

    その時別に四人連れの登山者が登山道を上りかけていたが、爆発しても平気でのぼって行ったそうである。「なになんでもないですよ、大丈夫ですよ」と学生がさも請け合ったように言ったのに対して、駅員は急におごそかな表情をして、静かに首を左右にふりながら「いや、そうでないです、そうでないです。――いやどうもありがとう」と言いながら何か書き留めていた手帳をかくしに収めた。 寺田寅彦「小爆発二件」 (http://www.aozora.gr.jp/cards/000042/files/2507_13840.html) の一節です。この直後、有名なあのアフォリズム、「ものをこわがらな過ぎたり、こわがり過ぎたりするのはやさしいが、正当にこわがることはなかなかむつかしい」が登場します。 この登山者たちはどうなったのでしょうか? 文中からははっきりとはわかりません。 原発事故の直後、「正当にこわがることは難しい」と

    学会声明をもう一度、考えなおそう - 赤の女王とお茶を
  • たぶん科学リテラシー以前に生活リテラシーが必要なんだと思う - 赤の女王とお茶を

    当に一般人に科学常識は必要なのか。 科学知識や科学リテラシーがあったほうがいいか、というと、もちろんあったほうがいいですよ。 政治や経済や歴史や心理や法律やITや語学や芸術なんかの知識やリテラシーがあったほうがいいのと同じく。 ただし、現代は複雑で巨大で、すべての分野で専門知識をマスターするのは不可能。 当の科学者であってすら、自分の専門以外で十分なリテラシーがあるとは限りません。 だから教育において「まず」教えるべきは、もっとヒューリスティックな「生活リテラシー」とも言うべきものではないでしょうか。 たとえば正確な科学知識がなくとも、また多少は怪しいものを買ってしまったとしても、当に危ないところまではいかないようなセンス。 世の中見わたしてみると、正確で厳密な知識がなくても、危ないものはうまく察知してするりと回避してしまう人がいますよね。 世間知とか呼ばれることもあるのかもしれません

    たぶん科学リテラシー以前に生活リテラシーが必要なんだと思う - 赤の女王とお茶を
  • 2008-12-21 - 赤の女王とお茶を - 日本語は亡びぬ、何度でもよみがえるさ!

    水村さんのはまだ読んでないんですけど、最近他にいろいろ読んだので枕に使わせてもらいますね。 ジャーゴンってものがあります。2ちゃん語やJK語があります。 日には標準語という共通語があるのに、方言がなくならないばかりか、なぜ新たにこんなローカル語が生まれるのでしょうか? 共通語とか標準言語ってのは多様な人たちが多様な状況で使うものです。科学論文なんか非常に顕著ですが、そういう言語はどんどん最大公約数化し、単純化されていきます。微妙なニュアンスなんか使っても伝わらないリスクが高いわけで、明確でシンプルな表現だけが残っていくことになります。 言い方を変えると、英語をはじめ、標準語というものは「形式知」を伝達するための「ツール」となる、ということです。 逆にいうと、「暗黙知」や「ニュアンス」はそぎ落とされていくのです。しかし、いくら標準語が単純化しても現場そのものが単純化するわけではない。 だ

    2008-12-21 - 赤の女王とお茶を - 日本語は亡びぬ、何度でもよみがえるさ!
    funaki_naoto
    funaki_naoto 2008/12/24
    「日本語を亡ぼしたくなければ日本の現実を多様で面白いものにしていくこと/いろいろな人が日本という風土でいろいろな楽しみを見つけて育て生活していくこと」
  • 2008-10-27 - 赤の女王とお茶を - 研究の四象限と科学の文化

    ちょっと前の話になりますが、今回の日のノーベル賞受賞研究が軒並み「基礎」的なものだったためか、恒例の「基礎vs応用」論が局地的に盛り上がったようです。 こちらは去年の記事ですが、科学研究業界の見方としてわりとポピュラーなので紹介します。 基礎研究の反対語は? 基礎研究:すぐ役には立たない、知的好奇心のみ、道楽チック 応用研究:即役立てる、金になる、企業がやってる そんな拙くもボンヤリしたイメージをもってませんでした? 研究を「基礎←→応用」という1軸ではなく 「基礎←→末梢」「純正←→応用」の2軸で表現する。 この基準で考えることで、いろんな誤解をとくことができる模様。 原理をつきつめていくものが「基礎」で、なんかコチョコチョやってるのが「末梢」 金にならないのが「純正」で、技術に発展し金にもなるのが「応用」 分かるっちゃあ分かるんですが、「末梢」とか「純正」とかいった表現になんとなく発

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  • 日本はそろそろノーベル賞のクレクレをやめてもよい国だと思う - 赤の女王とお茶を

    今年のノーベル賞はいろいろな意味で興味深かったし、質の高いエントリが沢山書かれたと思います。 研究の奥深さや学問の素晴らしさがアピールされる一方、ノーベル賞の不完全さにもスポットライトが当たった点が特に面白かったですね。 例えばこんな記事たち。 Douglas Prasher博士のケース、ノーベル化学賞の裏側で このかたは、下村博士のおられたところ同じ海洋研究所にいて博士がみつけたGFPタンパク質の遺伝子をつかまえてその配列やアミノ酸配列を決めたものでした。 それで、まさにこの遺伝子をもちいてチャルフィー博士など今回の受賞となった研究をしようとしたのだけれども、継続困難で、研究費を打ち切られ職もうしなってしまったのだそうです。 日にノーベル賞が来た理由 戸塚洋二博士(1942-2008.7.10)です。戸塚さんこそ、ノーベル賞をもらわないわけにはゆかない人でした。 なぜ「大してうれしくな

    日本はそろそろノーベル賞のクレクレをやめてもよい国だと思う - 赤の女王とお茶を
  • 赤の女王とお茶を - Youtubeで観るジャズ・ピアノの系譜

    ただ今の愛聴盤はキース・ジャレットのウィーン・コンサート。 ケルン・コンサート、パリ・コンサートと並んでキースのソロの傑作ですが、今のところこれが一番私の好みに合っております。ケルンほど甘すぎず、パリほどメランコリックでない。ある意味地味なのですが、聴けば聴くほど旨みが出ます。 そういえば前回のジャズ特集は菊池さんがサックス奏者であることもあって、管楽器に偏った紹介になってしまいました。せっかくなんでこの機会にジャズ・ピアノについても紹介してみようと思います。 プレ・モダンのピアニスト まずはビッグ・バンドでも有名なピアニスト、カウント・ベイシー。 彼のバンドはめちゃくちゃパワフルなんですが、ピアニストとしてのベイシーは実にチャーミング。間を活かして楽しげにスイングします。 モダン・ジャズ・ピアノの源流 そしてなんといっても、バップ・ピアノの祖であり、パーカーと並び称される天才バド・パウエ

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  • 赤の女王とお茶を - Youtubeで読むジャズ史「東京大学のアルバート・アイラー」(その2)

    それでは第2部です。今回ちょーっと長くなりそうです。第1部はこちら。 ハードバップにおいて非常に完成度の高いフォーマットを作り上げたジャズですが、まさにそれ故に誰がやっても同じような作品ができてしまう、というジレンマに陥りました。 ここで止まっていれば、古き良き伝統音楽として歴史に残るに留まったのかもしれません。 しかし、激動の20世紀という時代、そして若い才能がそれを許さなかったのです。 モード理論の誕生 まず大きく舵を切ったのはマイルス・デイビス(Tp)でした。 マイルスはチャーリー・パーカーの元でビバップを学び、独立後はハードバップの旗手としてすでに大きな成功を収めていました。二日間で録音したといわれる”〜ing”四部作”*1や、「Round About Midnight」はハードバップの名演として現在でもマストアイテムです。 しかし、彼と彼の仲間達は前進をやめませんでした。 ビバッ

    赤の女王とお茶を - Youtubeで読むジャズ史「東京大学のアルバート・アイラー」(その2)
  • 赤の女王とお茶を - Youtubeで読むジャズ史「東京大学のアルバート・アイラー」(その1)

    菊池成孔師匠の例の読んでます。歴史編、通称「青」のほうですね。 東京大学のアルバート・アイラー―東大ジャズ講義録・歴史編 作者: 菊地成孔,大谷能生出版社/メーカー: メディア総合研究所発売日: 2005/05/01メディア: 単行購入: 5人 クリック: 74回この商品を含むブログ (185件) を見る流石に面白い。 人が言うように、かなり和声主義的な「バークリー史観」ですから異論は多いと思いますが*1、ジャズを手っ取り早く俯瞰するには最良の書ではないでしょうか。特に聴くだけでなく「やってみたい」人向きには随一だと思います。 しかしモノは音楽、ことにジャズ。やっぱり聴いて、見てナンボですよね。 ここは一つ、みんな大好きなYoutubeを使って(Web2.0!)菊池流ジャズ史を追ってみようではありませんか。 プレ・モダン・ジャズ 「モダン」成立以前のジャズです。ブルーズやゴスペル、

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  • 反証可能性と科学的仮説について - 赤の女王とお茶を

    http://d.hatena.ne.jp/sivad/20060319#p2 http://d.hatena.ne.jp/khideaki/20060320/1142870425 http://d.hatena.ne.jp/khideaki/20060414/1144981228 http://d.hatena.ne.jp/khideaki/20060416/1145168655 あまり絡みたくはないのですがどうもブクマがされているようですので、もう一度言及します。id:khideakiさんが誤解するのは止められませんが、それが広まるのは困り者ですので。 khideakiさんの初歩的な誤りは、 「ある仮説が科学的な方法で記述されているか」 ということと、 「その仮説の内容が(科学・実証的に)正しい・妥当か」 ということとを区別できていないことです。 反証可能性が必要とされるのは、まず前者

    反証可能性と科学的仮説について - 赤の女王とお茶を
  • 2006-04-07

    http://news.senahideaki.com/article/16043928.html 作家&東北大教授の瀬名氏が、北大の有名脳科学者澤口元教授の件について述べています。基的には仰るとおりかと。科学自体は方法論(とそれによって得られた知識体系)に過ぎず、倫理、正義、善悪などの規範を規定するものではない。「科学的に正しい」ということは、方法(と知識)に合致する、というだけのことに過ぎません。まあ知識は常に更新されますが、方法論としての科学はほぼ定義であるが故に動かしがたいでしょうけどね。 ただちょっと事情が複雑なのが脳科学。脳科学において「正しい」ということは、往々にして「規範」を含んでしまうのです。つまり、「脳はこのように考える・感じるものだ」と言った場合、「思考や感性」の「正しさ」を規定してしまう、もしくは規定しているように受け取られてしまうのです。 澤口氏はおそらくこの罠

    2006-04-07
    funaki_naoto
    funaki_naoto 2006/04/08
    「脳科学において「正しい」ということは、往々にして「規範」を含んでしまうのです」
  • ジョジョにおける運命論

    http://www.kiyori.co.jp/~kiyori/impossible/ http://www.kiyori.co.jp/Users/kiyori/impossible/ColaArrow.htm どうみてもスタンド能力です。当にあry 面白いです。つかコーラビンってこんなにきれいに穴が開くんですね。。 矢の材質がポイントと見ました。例えば石材とかだとムリかと。 ややネタバレです。 ここ数回のスティール・ボール・ランの充実っぷりは素晴らしすぎますね。しかしこの作品、荒木氏の世界観、人生観が新たな局面に達しつつあることを如実に感じさせます。感銘を受けたので、ちょいと「ジョジョ」について書いてみます。 「ジョジョの奇妙な冒険」は荒木飛呂彦氏のライフワーク的作品で、緻密な絵と大胆な構図、魅力的なキャラクターと台詞回しで大きな支持を得ています。現在までに87巻が刊行されており、7つ

    ジョジョにおける運命論
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