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ブックマーク / tojikoji.hatenablog.com (8)

  • 【書評】生活を学問する。『「家庭料理」という戦場: 暮らしはデザインできるか?』 - Under the roof

    「家庭料理」という戦場: 暮らしはデザインできるか? 作者:明教, 久保 発売日: 2020/01/14 メディア: 単行 ”暮らし”を”デザイン”するという言葉は、CMや雑誌やネットで「よく目にする」言葉だ。 ホームセンター、家具屋、ファストファッションブランドの店頭展示ではシンプルでモダンなデザインの家具、服、キッチン用品の展示を目にする。 おしゃれなワンプレートのランチで楽しそうに談笑する家族。対面式のキッチン。日当たりのいいリビング。 ステレオタイプなイメージだが、憧れを抱く生活には一定のパターンがあるように感じる。丹念にデザインされたそれは、所謂「生活感」というものを感じさせないことが多い。テーブルや床に物が溢れ、統一感のない器や家具を使う生活とは一線を画したものだ。 無論生活の基盤には衣住があり、おしゃれなワンプレートをべても、カップラーメンべても、腹は満たされると

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  • 【書評】そりゃ絶望もするし発狂もする『アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した』 - Under the roof

    アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した 作者: ジェームズ・ブラッドワース,濱野大道 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2019/03/13 メディア: 単行(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る 「ワープア」って言葉、なんかあんまり聞かなくなってきたのは気のせいだろうか。 格差は広がる一方なので、ワープアだと響きが軽すぎて使わなくなったのだろうか。低賃金労働の問題は、むしろどんどん大きくなっていると思うんだが… 書は日ではなくイギリスのワープア、最低賃金労働者たちの現状について、著者自身が実際にその現場で働き知り得たことを綴った、実体験に基づくルポタージュだ。 ただの頭でっかちなノンフィクションではなく、実際の経験を元に書かれているので、経験者にしかわからない細かなストレスや心理状況についても描写されているのが面白い。 例えば第1章では、著者はアマゾンの巨大倉庫で

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  • 【書評】素晴らしき未知なる世界『辺境メシ ヤバそうだから食べてみた』 - Under the roof

    辺境メシ ヤバそうだからべてみた 作者: 高野秀行 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2018/10/25 メディア: 単行(ソフトカバー) この商品を含むブログ (3件) を見る いい。すごくいい。 エッセイ集として面白くて、未知の世界に触れられて、知見も広がる。以前読んだ『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ』もそうだったんだが、こういうをもっと読みたいんだよ。 「ゲテモノをべる」って、テレビのバラエティでも目にするネタで、だいたいお笑い芸人とかがイヤイヤべてる様子を笑うってパターンだと思う。 が、書は自称「胃腸の弱い」著者が、世界中を飛び回る仕事において「現地だけでべられているような珍しいもの」を積極的にべるという、むしろとても文化風土的なものを学べる素晴らしいになっている。 で、まず第1章「アフリカ」で最初のエピソードが「ゴリラをべた」 いやいやいや、

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  • 【書評】やさしいごはん『一汁一菜でよいという提案』 - Under the roof

    一汁一菜でよいという提案 作者: 土井善晴 出版社/メーカー: グラフィック社 発売日: 2016/10/07 メディア: 単行(ソフトカバー) この商品を含むブログ (1件) を見る とても優しさが溢れた。タイトルからは想像できなかったが、書は日々の忙しさに浮き足立っていた僕に、家族の温かさと大切さを再認識させてくれた。 今現在、平日の晩御飯はだいたい僕が作っている。 仕事を終えて18時くらいに帰宅。ママは0歳の次男を寝室で寝かしつけしているので、長男と娘の相手を適度にしながら事の準備を始める。作るのは、主菜になる肉や魚料理、副菜として卵焼きや煮物やサラダなどをだいたい2品、それから味噌汁。出来るだけ調理時間を短縮するために、冷凍の煮魚やコロッケなんかを利用して、だいたい30分くらいで仕上げられるようにしている。18:45くらいに子どもたちと一緒に「いただきます」を言うのが理想だ

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  • 【書評】カモフラージュ率100%『自然のだまし絵 昆虫の擬態』 - Under the roof

    自然のだまし絵 昆虫の擬態: 進化が生んだ驚異の姿 作者: 海野和男出版社/メーカー: 誠文堂新光社発売日: 2015/05/07メディア: 単行この商品を含むブログを見る このなかにある生き物が隠れています。さてどこでしょう?というテロップのもとに画面が数秒写し出され、「正解はこちら」のセリフともに潜んでいた生き物がクローズアップされて正体を暴かれる。そんなシーンに出てくるのは、だいたいが昆虫、僕のイメージではハナカマキリが多い。 書はそういった「昆虫の擬態」に焦点を当てた写真集だ。小学生向けの教材なんかでも、どこにいるかな?みたいな表記とともに自然の中に擬態している昆虫の写真を目にすることがある。言うなればあれの大人用。 擬態なので、カモフラージュにより周囲の景色に溶け込んでいる写真がメイン。その方法は多種多様で、木の葉や枝や幹に化けるもの、地面に溶け込むもの、などのほかにも、毒の

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  • 【書評】過酷な環境と祈りの民『極限高地』 - Under the roof

    極限高地 チベット・アンデス・エチオピアに生きる 作者: 野町和嘉,ナショナルジオグラフィック出版社/メーカー: 日経ナショナルジオグラフィック社発売日: 2015/07/01メディア: 単行この商品を含むブログ (1件) を見る サッカーワールドカップ南米予選。南米と言えば、ブラジル・アルゼンチンという2強、ブラジルワールドカップで日が負けたコロンビア、南アフリカワールドカップで3位に輝いたウルグアイなど、強豪国ばかりだ。そんなサッカー強豪国が、南米予選のアウェーでは「引き分けで御の字」とする代表チームがある。ボリビア代表だ。 ボリビア代表チームは、有名選手等もおらず単純なチームの強さはブラジルなどに比べ相当劣る。ここしばらくはワールドカップの出場もない。だが、ボリビアの首都ラパスで行われるホームゲームは、その特異な環境により圧倒的にボリビア代表が有利になる。 ラパスは標高3600メ

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  • 【書評】愛に溢れた虫の本『虫屋さんの百人一首』 - Under the roof

    こんなに昆虫愛に溢れたは初めて。 虫屋さんの百人一種 作者: NPO日アンリファーブル会,奥大三郎出版社/メーカー: 出版芸術社発売日: 2015/07/16メディア: 単行(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る 僕は昆虫に限らず生物を扱ったが好きだが、これは最近読んだ中で最高の一冊だった。 タイトルには百人一首とあるが、中身は昆虫の写真とその生態の解説、そして「虫屋さん」と呼ばれる虫好きの人たちが綴ったちょっとしたエッセイが中心。 書でいう「虫屋さん」は、編者である「NPO日アンリ・ファーブル会」に所属する、アマチュアの昆虫好きの人たち100人。そんな人たちが、それぞれ自分が魅了された虫についてひとり1種類ずつ紹介しているので、タイトルが「百人一首」となっている。すべて日で観察できる昆虫で、虫屋さん自身の経験を基にした書かれたエッセイを読んでいるだけでも、充分面白い。

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  • 【書評※虫注意】奇抜なデザイン大爆発『ツノゼミ ありえない虫』 - Under the roof

    ツノゼミ ありえない虫 作者: 丸山宗利 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2011/06/23 メディア: 単行(ソフトカバー) 購入: 56人 クリック: 1,502回 この商品を含むブログ (18件) を見る タイトル通り、ありえないデザインをした虫のオンパレード。「ツノゼミ」という種類の虫しか出てこないのに、なぜこんなに多様で奇妙で面白いのか。生物の不思議を存分に味わえる。 カンブリア爆発ってご存じだろうか。テレビ東京の有名番組「カンブリア宮殿」の由来にもなった、約5億年ほど前の「カンブリア紀」の多種多様な形態の生物たちが爆発的に発生した時期。 バージェス動物群と呼ばれる、今の生物群としてはどれにも属さないような奇妙奇天烈な形状の生き物たち。かの有名なアノマロカリス、ハルキゲニア、ピカイア、オドントグリフス…名前とデザインだけでもうワクワクが止まらない。 詳しく知りたい場合は

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