古来より、日本と朝鮮半島・大陸との結節点であった対馬には、日本と東アジアとの交流の歴史を物語る文化財が数多く遺されています。そのなかでも、朝鮮半島・中国から輸入された印刷経典〔版経(はんきょう)〕は世界有数の文化財です。 室町時代、日朝交流を通じて、対馬には数多くの版経がもたらされました。元時代の中国で印刷されたのち、朝鮮半島を経由したものもあれば、高麗時代・朝鮮時代の朝鮮半島で印刷されたものもあります。その数もさることながら、バリエーションが豊富な対馬の渡来版経は、東アジアの印刷文化を物語るとともに、日本・朝鮮半島・中国の交流のダイナミズムを象徴しています。 対馬で守り継がれてきた渡来版経だけでなく、現在は対馬島外で保管されている対馬ゆかりの渡来版経も九博に集結します。この機会をお見逃しなく!