小説の「語り手」は、信用ならない 1960年代の革新性に満ちた「初期ポストモダニズム」。 その時代に書かれた バース、バーセルミ、クーヴァー、ボルヘス、カルヴィーノ、 ピンチョン、ル・グィンらの短編を中心に 文学作品の根幹ともいえる「語り」に視点を向けて分析する! ◉はじめに ポストモダンとアメリカ文学 ポストモダンの起源/文学におけるポストモダニズム論争/批評家の迷走とバースのポストモダニズム宣言/ジャンルの確立と歴史化/ポストモダニズム研究が示す曖昧さ/文学研究を更新する/イデオロギーの否定と歴史性なき歴史の時代/ポストモダニズム的既視感と郷愁の念 ◉序 章 語りの実験場:ポストモダンを語るには 近代小説の登場/ホーソーン、メルヴィル、ジェイムズ/モダニズムの二極化する語り/信用ならない語り手とアウシュヴィッツ以後の蛮行/モダニズムからポストモダニズムへ ◉第一章 語りの枠組:ジョン