液晶ディスプレイの輝度やコントラストの向上に役立つ樹脂材料を,タイカが開発した。シリコーンを主原料とする柔らかいゲル状素材をベースにした樹脂材料である。同社は2009年内の発売を目指している。
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産業技術総合研究所は,ダイヤモンドを半導体として利用する深紫外LEDを開発した。発光波長は235nmの深紫外線。出力は,320mAの電流を注入時に30μWである。
室温に置いた鉄製磁石の磁極(N極とS極)の向きを、電流を流さずに電圧をかけるだけで変える実験に、大阪大基礎工学研究科(鈴木義茂教授)と東北大のグループが成功した。磁極の向きの変更は、コンピューターの記憶装置に情報を書き込む際などに応用されているが、従来は、かなり大きな電流を流す必要があった。今回の成功は、記憶装置に応用しやすい条件では世界初。機器の省電力化につながるという。18日付の英科学誌「ネイチャーナノテクノロジー」の電子版に、論文が掲載される。 鈴木教授らは、磁石である鉄のごく薄い層(厚みは原子2~4個分)を、金の層と、酸化マグネシウムなどの絶縁体ではさんで、薄い膜(厚さ約1000分の2ミリ)を作った。この膜に電圧をかけると、電圧の向きによって、鉄の磁極の向きが変わった。金の層の働きで鉄が電圧の影響を受けやすくなり、それぞれの鉄原子が持つ電子の軌道が変わったためとみられるという。 今
非導電性の炭素材料でメモリを構成。(a)がメモリ・セルの断面図。(b)がメモリ全体の写真。(c)は,電極パッドの例 ドイツQimonda AGは,IEDM 2008で炭素から成る素子に電流を流して状態を切り替えることで,メモリとして利用する技術の詳細について発表した(IEDMのプレビュー記事)。それによれば,ダイヤモンドなど非導電性の炭素材料をベースに素子を作製するのが最も有望だと分かったという。 同技術は,カーボン・ナノチューブ(CNT)やダイヤモンドなどの炭素の素子に電流をパルス状に流して状態を切り替えることで,電気抵抗を大きく変化させ,不揮発性メモリとして利用することを目指したもの。こうした炭素の素子がパルス状のレーザの照射で状態を変えることは最近の研究で知られていた。今回はそれが電流パルスでも機能することを確認した。 具体的には,非導電性であるダイヤモンドの微細な粒子から成る層を8
「プラスチック・ワイヤー」を米社が発表、銅線比20%の重量で同等の導電性を確保(2008/11/07) 米Integral Technologies社は、独自の導電性樹脂材料「ElectriPlast」を使って、銅(Cu)と同じ導電性を確保しながらも重量が銅線に比べて80%も軽いワイヤーを開発したと発表した。 同社のElectriPlastは、金属でコーティングしたミクロン・サイズのファイバをポリマー中に混ぜ込むことで導電性を持たせた樹脂材料である(参考リンク:同社のホームページ)。押し出し成型などによって任意の形状に加工でき、一般的なケーブルやフラット・ケーブルに適用したり、対象物の表面を覆ったりすることが可能だ。応用としては、従来の銅ワイヤーを置き換えて軽量化する用途や、ワイヤー・ハーネス、デバイス・パッケージに作り込むアンテナなどがあるという。 ElectriPlastに用い
溶液プロセスで透明導電膜を形成する技術を手掛ける米国ベンチャー企業のCambrios Technologies Corp.は,少ない工程数で細かい配線パターンを形成できる技術を開発した。「Patternable Transfer Layer Process」と名付けた今回の技術は,あらかじめ基板上に作り込んだ透明導電膜を他の基板上に移し替えると同時にパターン形成してしまうというもの。基板への移し替えとパターン形成の過程でリソグラフィを使うものの,フォトレジストは使わず,パターンをエッチングする必要もない。「2009年に実用化したい」(同社 Vice President,Business DevelopmentのHash Pakbaz氏)という。
38%まで伸ばしても導電率に変化なし(赤線)。導電率は,従来の導電性ゴムより約3ケタ高い。ただし,金属よりは4ケタ小さい。 東京大学 工学系研究科 准教授の染谷隆夫氏の研究グループは,「伸び縮み可能でしかも導電性が高い新物質を世界で初めて開発した」と発表した。これにより,有機トランジスタを用いた大面積の電子回路を自由曲面に張ることが可能になり,有機トランジスタの用途が大きく広がるとする。しかも,「伸縮性を持つことで,曲げることへの機械的な耐性が大きく向上する」(染谷氏)という。論文は米Science誌の2008年8月7日付け速報版「Science Express」に掲載された。 この物質は,単層カーボン・ナノチューブ(SWNT),イオン性液体,弾性のある樹脂などから成る物質で黒いゴム状をしている。導電率は57S/cmで,市販の導電性ゴムの0.1S/cmに比べてはるかに高い。しかも,この導電
東北大学多元物質科学研究所教授の中村崇氏は,「クリティカルメタル(必須金属)」についての最新の見解を,2008年7月18日に開催される「レアメタルを中心とした鉱物資源シンポジウム」(主催:東京大学生産技術研究所と東北大学多元物質科学研究所)で公表することを明らかにした。 「クリティカルメタル」とは,(1)材料や素材としてなくてはならない必須金属,(2)需要増の伸びが大きくて供給不安がある金属,(3)価格が高騰しても代替金属が見い出せない金属――である(技術同友会および日本メタル経済研究所のまとめによる)。この結果,クリティカルメタルはベースメタルの銅と亜鉛,貴金属の金,銀,白金族,レアメタルのタングステン,インジウム,ガリウムなど約11元素(希土類金属はまとめて1元素と数えている)などが該当する。「現在は希少金属という意味のレアメタルという表現が多く使われているが,供給不安などがある金属資
日本の製造業はいうまでもなく,環境問題への対応が迫られている。その一方で,本連載コラムの統一テーマである「競争力」の強化も大切である。この二つはやり方によってはトレードオフになりがちだが,どちらか一方ということではなくて,両者を同時に達成することが大切であろう。または,両者のバランスをうまくとる工夫や戦略が大切だと考えられる。しかし日本では,このバランスが崩れてしまう傾向にひょっとしたらあるのではないだろうか---。ある記事を読んで,そんな思いが頭をかすめた。 その記事とは,『日経Automotive Technology』誌2008年3月号に掲載された「塩ビ再び---バッシング去り,内装材として再評価」である。著者は,自動車技術を長年取材してきた浜田基彦記者(同記者のブログ)。内容は,ダイオキシン問題や環境ホルモン問題などで環境負荷の高い材料として悪者扱いされてきた塩ビ(ポリ塩化ビニル樹
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