今回は小説仕立てでいきます。 同じゼミに所属しているオサミチとミオが、さんさんと陽光の降り注ぐカフェテリアをまっすぐ横断して、こちらにやってくるのが見えた。僕は好物のカツレツを食べていたのだが、食欲が半減したのを自覚した。たったふたりしかいないゼミ仲間相手にこれはひどいと、あなたは思うだろうか。いや、僕がこれから書くことを読んでもらえれば、僕の気持ちを理解してもらえるかも知れない。 二人は僕の前の席につくなり、こう言い出した。 「ジュン。俺さあ、スゴイ真実を見つけてしまったんだよ」 「そうそう私も、スゴイ真実を見つけてしまったの」 「スゴイ真実」。オサミチとミオが、そう言い出したら要注意だ。黄色信号だ。彼らが「真実」を見つけてくるのは、図書館や公文書館に埋もれていた未発見資料ではなく・・・ 「もしかして、ネットで読んだってこと?」 「そうそう、ジュン。お前相変わらず察しがいいな」 察しがい