はいはい、宿題のお時間がやって参りました。長くなってしまい残りは次回に回してしまったランシエールの本の感想のつづきです。前回(http://d.hatena.ne.jp/voleurknkn/20070129#p1参照)はカントの批判哲学との関係を見ていくことで、ランシエール特有の美学=感性学と芸術の捉え方を理解するための基本的な図式を描き出したところで終わってしまったのでした。しかし実際には、その図式でだいたいのことは言われていて、あとはランシエールが具体的に論じていることが、その図式の中でどこに位置するのか、ということを当てはめていけばいいだけです。 ランシエールの『美学=感性学の居心地の悪さ』は大きくは三部に分けることができます。それぞれの機会でなされた講演を集めたものらしいですが、「美学=感性学」というテーマについて論じているという点では共通しており、それゆえどの部分も、前回見た図