男と女の学際研究 ~現役学者が微笑みの国を考察!~ 5人の現役研究者が「日本男とタイ女」をテーマに、いろいろな角度から考察する連載コラムです。 経営学 林 拓也 本コラム第29回で、文化人類学者の片山はタイ人女性につきまとう性産業のイメージについて触れ、日本人を含む先進国男性たちが持つタイ人女性に対するまなざしが、セクシャリティを強調したオリエンタリズム色の濃いものであり、性産業との関わりを通してタイ人女性イメージが再生産されてきた点を強調しています。 今回はこの片山があげたタイ人女性に対する性産業のイメージという問題について、タイの人口ピラミッドの視点を入れることにより考えてみようと思います。 人口ピラミッドの変化と共に性産業の主力年齢層も変化? タイで初めてHIV感染者が報告されたのは1984年のことであり、パスックがバンコクの売春女性を農村女性の搾取の問題と捉え、タイ社会の構造的問題