『新世紀エヴァンゲリオン』以後のオタク評論が扱ってきた自意識の問題を軸にして、アニメ、ゲーム、ライトノベル、批評などなど日本のサブカルチャーを中心に大きな影響を与えたキーワード「セカイ系」を読み解き、ポスト『エヴァ』の時代=ゼロ年代のオタク史を論じる一冊。 『セカイ系とは何か』はタイトルが示すように「セカイ系」とは何かを説明している本だが、同時に「セカイ系」を一つの基準として、1995年以降のオタク史を概観する本である。1995〜1999年、2000〜2003年、2004〜2006年、2007〜2009年の四つに区切り、エヴァンゲリオンの登場と影響、その後に現われた作品傾向、セカイ系という言葉の拡散、現状と諸問題を、それぞれ整理して流れを解説する。 「セカイ系」というのはフィクションの傾向の一つと考えて問題ない。時代によって意味も受容のされ方も異なるが、原義(2002年)は「エヴァンゲリ