『狼と香辛料Ⅱ』 支倉凍砂著 商人が最も恐れるのは? | 旧館:物語三昧~できればより深く物語を楽しむために 支倉 凍砂 狼と香辛料〈2〉 評価:★★★星3つ+α (僕的主観:★★★★☆星4つ半) すみません。とらさん のタイトルパクリました(笑)。でもまさに、的確。そうこの本のテーマは、破産。商人にとってもっとも恐れる、信用(=クレディビリティ)が崩壊する恐怖を、描いています。というか、ちゃんと描けているところに、この本の斬新さがある。ファンタジーで死の恐怖とか、魔法や嫌悪攻撃の怖さとか、そういうものは手垢にまみれている。けれども、実は、世界で生きていくときにもっとも怖いことは、その社会の中での社会的死なんだ。これは、死そのものよりも最悪だ。なぜならば、生きる意味をすべて奪ってしまうことだから。その人が、世界を把握するために必要な、「行動や実現のための可能性」を保証する人間関係をすべて奪