第156回直木賞、2017年本屋大賞に続き、『蜜蜂と遠雷』で第5回ブクログ大賞小説部門を受賞された恩田陸さん。文章からあふれる豊かな音の世界に、心をふるわせた方は多いのではないでしょうか。このうつくしい物語がどうやって作り上げられたのか、そして恩田さんがどんなことを大切にされながら執筆されていたのか。前編では作品の舞台裏についてお話しいただきました。『蜜蜂と遠雷』がもっと楽しめる、インタビュー後編です。 取材・文・撮影/ブクログ通信 編集部 持田泰 大矢靖之 猿橋由佳 「風間塵が野原に立って蜜蜂の羽音を聴いてる」イメージから、タイトルを決めた ほがらかにお話しくださいました ―『蜜蜂と遠雷』というタイトルについてもう少しお伺いします。「蜜蜂」というのは作品の中で、いろんなイメージを重ねられながら描写をされているように思います。蜜蜂は世界を祝福する音符である、とも描かれていましたが、「蜜蜂」