【ベルリン小谷守彦】27日に実施されるドイツ南部バーデン・ビュルテンベルク州議会選挙で、日本の福島第1原発の事故を受けた反原発世論の高まりから環境政党・緑の党が初めて州首相ポストを射止める公算が大きくなっている。ドイツ16州の首相ポストは、保守のキリスト教民主同盟(CDU)などと左派・社会民主党の2大政党で分け合ってきたが、緑の党の州首相が誕生すればドイツ政治の歴史的な節目になる。メルケル首相のCDUは戦後一貫して牙城だった同州で初めて政権を失うことになり、威信を大きく低下させる見通しだ。 緑の党は連邦議会では5政党の最小勢力で、反原発を党是の一つに掲げてきた。同州の首相候補、クレッチマン氏(62)も結党以来の党員で、同州で稼働中の原発4基の即時停止を求めている。 メルケル首相は今月15日、福島第1原発事故を受け、「脱原発先送り」の決定を3カ月凍結する方針を表明。国内17基の原発の安全性の