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ブックマーク / blog.kazuhooku.com (55)

  • komake: Make の -j オプションに潜む罠とその解決策

    ビルドツールのダジャレの大家と言えば @shinh さんですが、それはさておき、皆さんは今でも Make を使ってビルドすることが多いと思います。かく言う私も、その一人。 最近は CPU のコア数も多いですから、当然 -j 16 とか、やりたいわけです。大きいプロジェクトになればなるほど、威力絶大ですね。 ですが、ここで問題がひとつ。大規模プロジェクトでは Makefile が別の Makefile を呼び出すような依存関係が良く見受けられます。この際、ターゲット間の依存関係で菱形が存在すると(例: ターゲット sub1 と sub2 が shared に依存)、make shared が make sub1 と make sub2 から同時に起動されることが起こりえます。CMake で生成した Makefile の場合も、ターゲット毎に make を起動しますね。 二重起動が発生すると、

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    gfx 2020/12/03
    当初の想定とはだいぶ違うところに着地したけど目的は達成できたのでヨシ! kazuho++
  • QUICむけにAES-GCM実装を最適化した話 (2/2)

    前半で述べたように、OpenSSLのAEAD暗号器は、長いAEADブロックの処理を前提に作られています。平文の暗号化処理においては理論上の上限にあたる速度を叩き出す一方、事前処理と事後処理、および呼出オーバーヘッドについては、あまり最適化が図られているとは言えません。これは、AEAD暗号の主な使用用途が、これまでTLSという長いAEADブロックを使う(ことが一般的な)プロトコルであったことを反映していると言えるでしょう。 一方、QUICにおいては、UDPパケット毎に独立した、短いAEADブロックを暗号化する必要があり、したがって、次のような速度向上の機会があることが分かります。 AEAD処理をひとつの関数にまとめ、事前処理と事後処理を、パイプライン化されスティッチングされた暗号処理と並行に走らせることができれば、AEADブロックが短くても、理論値に近いスループットを発揮するような、AES-

    QUICむけにAES-GCM実装を最適化した話 (2/2)
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    gfx 2020/06/19
    "今回開発したAES-GCM実装「fusion」は、昨日、我々が管理するTLSスタックであるpicotlsにマージされ、使用可能になっています"
  • QUICむけにAES-GCM実装を最適化した話 (1/2)

    4月末に、会社のほうで「Can QUIC match TCP’s computational efficiency?」というブログエントリを書きました。我々が開発中のQUIC実装であるquiclyのチューニングを通して、QUICのCPU負荷はTLS over TCP並に低減可能であろうと推論した記事です。この記事を書く際には、Stay Homeという状況の中で、手元にあった安いハードウェアを使ったのですが、その後、10gbe NICを入手し、ハードウェアによるUDP GSOオフロード環境でのパフォーマンスを確認していくと、OpenSSLのAES-GCM実装がボトルネックになることがわかってきました。 TCP上で通信するTLSでは、一般に、データを16KB単位でAEADブロックに分割して、AES-GCMを用いてAEAD暗号化します注。一方、UDPを用いるQUICでは、パケット毎にAES-GC

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    gfx 2020/06/15
  • C言語で配列の要素数を安全に数える話

    C言語で配列の要素数を数えるイディオムってのがあって、 sizeof(array) / sizeof(array)なんだけど、配列名が長くなって、たとえば sizeof(var.that_has_an_array.as_a.member) / sizeof(var.that_has_an_array.as_a.member[0])とかになるとカオス。 なので、ベンダーによっては、 #define _countof(array) (sizeof(array) / sizeof(array[0]))みたいなマクロを提供していたりするんだけど、こうやって、何も考えずに使えるようにしていくと、配列ではなくポインタを引数に渡しちゃって、サイズ計算ミスって変な動作する懸念が増してくる。 なので、Twitterで C言語で、ある値がポインタなのか配列なのかを知る方法ってあるのかなぁ(gcc/clang拡

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    gfx 2020/04/16
  • 2020年にDSRロードバランス環境を作る方法

    TCPの時代もそうだったんですが、QUICにおいても、Linux等でソフトウェアロードバランサをipvsadmとDSR (direct server return, a.k.a. direct routing) を実現することは有効な手段です。 なんだけど、ipvsadm界隈はHA前提の込み入った設定か古いドキュメントしか見つからなかったので、最低限の検証環境のセットアップ方法を、ここにまとめる次第です。 ロードバランサ: echo 1 | sudo tee /proc/sys/net/ipv4/ip_forward sudo ifconfig eth0:0 $VIP netmask 255.255.255.255 broadcast $VIP up sudo route add -host $VIP dev eth0:0 sudo ipvsadm -A -t $VIP:443 -s rr

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    gfx 2020/03/11
  • H2O version 2.2.6, 2.3.0-beta2 released, includes security fixes

    H2O version 2.2.6 and 2.3.0-beta2 have been released. This release addresses a series of DoS attack vectors that have been recently found on a broad range of HTTP/2 stacks. Specifically, H2O had been deemed vulnerable to the following, and fixed: * CVE-2019-9512 (Ping Flood) * CVE-2019-9514 (Reset Flood) * CVE-2019-9515 (Settings Flood) Users of previous versions of H2O are advised to update to th

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    gfx 2019/08/14
  • HTTP のプライオリティが大きく変わろうとしている話(その他 IETF 105 雑感)

    先週、モントリオールで開催された IETF 105 に参加してきました。 いろんなことがあったのですが、個人的に一番大きかったのは、HTTP/3 からプライオリティ(優先度制御)まわりの仕様を落とすことが決定したこと。 HTTP/3 は、トランスポートプロトコルである QUIC の上で動作する、次世代の HTTP プロトコルです。その設計は、QUIC ワーキングググループが、HTTP ワーキンググループから委託され、HTTP/2 の機能を移植する、という形式を取っています。 ところが、5月にロンドンで開催された QUIC ワーキンググループの中間会議で、一部参加者から HTTP/3 の優先度制御に対する不満が表明されたのです注1。それを受けて、QUIC ワーキンググループでは、HTTP/3 の優先度制御にあった HTTP/2 のそれとの差異を少なくする作業を進める一方、HTTP ワーキング

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    gfx 2019/07/30
    "HTTP/3 からプライオリティ(優先度制御)まわりの仕様を落とすことが決定した"
  • pthread_once が嫌いすぎて再実装した話

    pthread_once が嫌いです。なぜ嫌いかって言うと、こんな感じで、ファイルレベルのグローバル変数やグローバル関数が出現し、また、値を使う場所と初期化コードの位置が離れがちで可読性が下がるから。 static volatile BIO_METHODS *biom = NULL; static void init_biom(void) { biom = BIO_meth_new(BIO_TYPE_FD, "h2o_socket"); BIO_meth_set_write(biom, write_bio); BIO_meth_set_read(biom, read_bio); BIO_meth_set_puts(biom, puts_bio); BIO_meth_set_ctrl(biom, ctrl_bio); } static void setup_connection(...) {

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    gfx 2019/07/22
  • Kazuho's Weblog: 次世代プロトコル(QUIC etc.)のセキュリティとプライバシー @ #builderscon

    9月6日より開催中の builderscon 2018 において、登壇の機会をいただき、インターネットのトランスポート層プロトコルについてセキュリティやプライバシーに関わる設計がどのように進めてられているか、TLS と QUIC を中心に発表しました。 QUIC のハンドシェイクプロトコルとパケット番号暗号化、TLS の Encrypted SNI 拡張は、いずれも僕が提案した機能あるいは方式が採用される予定のものなので、背景にある動機や意義を含め、整理して発表する機会をもらえたことをありがたく感じています。 聴講いただいた方々、また、スライドをご覧になる方々と、次世代プロトコルの暗号応用の手法のみならず意義を含め共有し、理解と議論を深めることができれば、これに勝る喜びはありません。 PS. QUIC のハンドシェイクプロトコルと Encrypted SNI 拡張については、以下のブログ記

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    gfx 2018/09/10
  • TLS の SNI 暗号化に関する Internet Draft を共同提出しました

    Eric Rescorla (RTFM), Nick Sullivan (Cloudflare), Christopher Wood (Apple) の各氏とともに、SNI を暗号化する TLS 拡張を提案する Internet Draft を提出しました。 Encrypted Server Name Indication for TLS 1.3 アナウンスのメールにあるとおり、すでに NSS / Firefox と picotls / H2O で実装作業が開始されており、今月開催される IETF 102 で相互運用試験を行うとともに、標準化にむけた議論を深める予定です。 スノーデン事件以降、広範囲におよぶトラフィックモニタリングによるプライバシー侵害の懸念が明らかになるとともに、できるだけ多くのインターネット上の通信プロトコルを暗号化することが求められるようになってきました (参考: R

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    gfx 2018/07/03
  • QUICハンドシェイクの再設計、もしくはTLSレイヤの終焉

    先週スウェーデンのKistaで開催された第5回QUIC Interimで、ハンドシェイクプロトコルの再設計案の採用が決まりました。 提案者として、その背景にある考え方を整理したいと思います。 ▪️提案内容 詳しくはDesign Docを見てもらえばいいとして、ざっくりいうと、TLSスタックをふたつに分割し パケットはQUICがレイアウトしたバイト列をTLSスタックが提供するAPIを使って暗号化注1して生成 ハンドシェイクメッセージについては、平文のメッセージをTLSスタックとQUICスタックとの間で交換し、QUICスタック側で上記手法によるパケット化暗号化を行う というものです。 これにより、たとえばサーバがハンドシェイク時に送出するパケットの構造は以下のようにかわります。 図1. 従来方式 図2. 新方式 赤は難読化(つまり正当なパケットと攻撃との区別がつかない)、黄は未認証の暗号化(通

    QUICハンドシェイクの再設計、もしくはTLSレイヤの終焉
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    gfx 2018/06/12
  • HTTP/2で 速くなるとき ならないとき

    たいへん遅ればせながら、YAPC::Okinawa 2018 ONNNASONで使用したスライドを、こちらにて公開する次第です。 ベンチマークの難しさとチューニングの奥深さ、楽しさを共有できた結果がベストトーク賞につながったのかなと考えています。ありがとうございました&今後ともよろしくお願いいたします。 HTTP/2で 速くなるとき ならないとき from Kazuho Oku

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    gfx 2018/04/17
  • git blameでプルリクエストの番号を表示する

    GitHubでプルリクエスト前提の開発をしていると、git blameで「なぜ、このコードがこうなっているのか」調べる際に、commit idではなくプルリクエストの番号を表示してほしくなります。 というわけで書いたのが git-blame-pr.pl。 以下のような感じで表示されるので、調査がはかどります。 $ git-blame-pr.pl lib/core/request.c (中略) PR #446 PR #606 h2o_iovec_t h2o_get_redirect_method(h2o_iovec_t method, int status) PR #606 { PR #606 if (h2o_memis(method.base, method.len, H2O_STRLIT("POST")) && !(status == 307 || status == 308)) PR

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    gfx 2017/12/27
    vscodeのextにするとはかどりそう!
  • 最高速のfizzbuzzを実装する話

    この前、Twitterで誰かが「コンパイラ言語でFizzbuzz書くなら、コンパイル時に全ての演算を済ませ、実行コストはI/O命令1個になるように最適化しないと」という話をしていた。いいこと言うな、と思ってスルーしていたのだが、体調不良で頭だけ動いている状態だったのでC++11でトライしてみることに。 案ずるより産むが易しというもので、割と簡単に綺麗に書けた。こんな感じ。 char配列を可変長のテンプレート引数として結合していって、文字列定数を生成するというテクニックは実際に使い所があるかもと思った。最近C++書いてないけど。 #include <cstdio> template <typename LHS, int N> struct numstr { template <char... Args> struct append { typedef typename numstr<LHS,

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    gfx 2017/11/07
  • コマンド一発でソースコード検索&表示できる「peco」改が凄い!

    lestrratさんがやってくれました。 ずいぶん前から、ソースコードを検索して読みやすいコマンドはないかなーと思っていました。個人的にはackで検索して見つかったファイルをlessで開いて再びキーワードを入れて当該行までジャンプしていたのですが、毎回毎回めんどくさい感じでした。コマンド一発でインクリメンタル検索してキーワード周辺のソースコードを読めるツールが欲しいなぁって思ってたんです。 とあるslackでお昼時に、mattnさんと「ほしいですよねー」という話から始まって、vimにあるgrepとかも物色しながら「いいのないねー」とか言ってたらkanさんが「@lestrrat 案件だ」って言い出して牧さんが召喚されてついさっきpecoに必要な機能が追加されてました。速いw ためしにpicotlsの開発ディレクトリでpecoの一行ラッパーperoを起動し、「EVP_Digest」を検索してみ

    コマンド一発でソースコード検索&表示できる「peco」改が凄い!
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    gfx 2017/03/03
  • Fastly に入社しました

    Summary in English: Joined Fastly, will continue my work on H2O there as an open-source developer. 2017年1月1日付で、Fastly 社へ転職したので報告いたします。 過去5年間、DeNA では R&D 的な立場から、様々な基盤的ソフトウェア(オープンソースになったものもありますし、クローズドなものもあります)の開発に携わってきました。 最近2年間は、同社のゲーム用サーバに端を発するオープンソースの HTTP/2 サーバ「H2O」の開発に従事してきましたが、その実装品質が高く評価され、世界有数のコンテンツ配信ネットワーク(CDN)である Fastly で採用された他、大規模なウェブサービス事業者で採用にむけた動きが進むなどの成果が出つつあります。 また、H2O における実装経験をもとに、H

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    gfx 2017/01/12
    "転職したといっても、このような経緯なので、職務の内容が何か変わるわけではありません。これまでと同様に、オープンソースソフトウェアである H2O の開発をリードしていくのが僕の役割になります"
  • 103 Early Hints に対応した Starlet 0.31 をリリースしました

    Perl のウェブアプリケーションサーバである Starlet の新バージョン、0.31をリリースしました。 今回搭載された新機能は 100 番台の中間レスポンスの送信に対応した点です。 たとえば以下のような感じで 103 Early Hints レスポンスを送信することで、アプリケーションでリクエストを処理する前に、HTTP/2 リバースプロキシに関連アセットのプッシュの開始を指示することができます注。 sub { my $env = shift; $env["psgix.informational"}->(103, [ 'link' => '; rel=preload' ]); my $resp = ... application logic ... $resp; } Early Hints は、現在 IETF の HTTP WG で Call for Adoption を迎えている段

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    gfx 2016/12/12
    "psgix.informational"
  • H2O version 2.0.4 / 2.1.0-beta3 released including a vulnerability fix

    H2O version 2.0.4 / 2.1.0-beta3 released including a vulnerability fix Today we have released H2O version 2.0.4 / 2.1.0-beta3, which includes a fix to a vulnerability (CVE-2016-4864). Users of H2O are advised to update immediately. For detail, please refer to the issue page at https://github.com/h2o/h2o/issues/1077.

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    gfx 2016/09/14
    脆弱性の修正ありとのこと
  • H2O HTTP/2 server goes 2.0 adding support for Brotli

    Today, I am happy to announce the release of H2O version 2.0.0-beta1, the first release of the 2.0 series. In the release, we have added support for Brotli in two ways. For those who do not know, Brotli is a new compression method developed by Google. It is said to compress files ~20% smaller than gzip - means less bandwidth consumed and faster rendering on the client side. Mozilla has already add

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    gfx 2016/03/16
  • mruby で同期呼出を非同期化する話(もしくは H2O の mruby ハンドラでネットワークアクセスする話)

    ■背景 H2Oではバージョン1.5より、mrubyを用い、Rackのインターフェイスに則った形でハンドラを書けるようになっています。 この機能を提供している目的は、正規表現による書き換え等を用いる複雑な設定ファイルではなくプログラミング言語を用いることで、ウェブサーバの設定をより簡潔に拡張しやすくするためです(Apacheのmod_rubyやmod_perlのようにウェブアプリケーションをウェブサーバ内で実行可能にすることではありません)。 とは言っても、現実のウェブサーバの設定においては、外部のデータベース等に問い合わせた結果に基づいたルーティングが必要になることがあります。 H2Oのようなイベントドリブンなウェブサーバ上で動作する、同期モデルを採用するRackインターフェイスを用いて記述されるハンドラ内において、データベースへの問い合わせをどのように実現すれば良いか。問い合わせが同期的

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    gfx 2015/11/11