今回は継承についてより深く学びます。特になぜ多重継承が必要なのか,多重継承にはどのような問題があり,JavaやRubyがどのように解決しているのかを学びます。 前回はオブジェクト指向プログラミングを構成する3原則(ポリモーフィズム,データ抽象,継承)のうち,継承について扱いました。人が一度に把握,記憶できる概念の数には限りがあること,これを解決するため,クラスのうち似たような部分をくくり出す仕組み(継承)が必要であることを解説しました。継承はプログラムの構造化,抽象化の流れが自然に進化した形として登場したとも説明しました。 しかし,最後の部分は厳密には正しくありません。構造化,抽象化とは,共通部分をスーパークラス(親クラス)としてくくり出すボトムアップ・アプローチを意味します。このように継承が誕生したのであれば,最初から複数のスーパークラスを持つことができる多重継承*1が主流だったに違いな