<日本は「失われた」数十年を経験したが、実はその間も成長を続けてきた。今、中国の停滞を日本と比較する識者が多いが......> ※本誌2023年10月3日号は「日本化する中国経済」特集。失速する中国経済を検証しています。 中国経済の不調を伝えるニュースが続くなか、多くの識者は中国が1980年代後半から日本を悩ませてきたのと同じ「好況・停滞・低迷」の道をたどっているとみている。 だが、ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマンの見方は違う。「日本は警戒すべき前例ではなく、手本と言っていい」と彼は主張する。 日本は1991年以降、「失われた」数十年を送ったが、その間も労働年齢人口の1人当たり実質GDPはアメリカとほぼ同じペースで推移し、45%の成長を遂げた。深刻な高齢化に直面し、人口が2008年をピークに減少に転じた先進経済にとっては容易なことではない。 日本の事例で評価すべきなのは、201