チョウが人や動物のふん尿を含む水たまりに集まって吸水する習性は、アンモニアを摂取して繁殖の成功度を高めるためだということを、広島大の本田計一名誉教授(64)(化学生態学)らの研究グループが解明した。 研究結果は7月下旬、ドイツの科学雑誌の電子版に掲載された。 チョウは幼虫の頃に植物を食べて育つが、植物にはナトリウムが少なく、成虫になって筋肉を動かすのに必要なナトリウムの欠乏状態になっていることが知られていた。 チョウの吸水行動はナトリウムの摂取が主な目的。ただ、研究グループは、同時にアンモニアなどを吸収して生命活動に必要なたんぱく質を合成しているのではないか――との仮説を立て、2009年秋から11年末まで、沖縄など琉球諸島に生息するシロオビアゲハを使って実験した。 ショ糖(砂糖の主成分)と塩化アンモニウムの水溶液をシロオビアゲハに吸わせた後、解剖して調査。その結果、体内でアンモニアからアミ