この日、バークレーを含む我々ロケ隊は、移動に6人乗りのワゴン車を使用したのだが、行き先を告げるや否や、日本人ドライバーは「かなり悪い地域ですね」と言った。 「あの辺りでは車椅子に乗った人を沢山見掛けます。だいたいが銃で撃たれた傷ですよ」 1995年に刊行され、ベストセラーとなったノンフィクション『AMAZING GRACE』(Jonathan Kozol著)は、サウスブロンクスの貧困を描いた名著だが、冒頭部で住民年収の中央値が7600ドルであり、95パーセント以上が貧民だと記している。 さらに、こんな記述が続く。 「4000人近くに上るヘロイン中毒者が住み、その多くはHIVに感染している」 「住民の誰もが恐怖と不安に悩まされ、眠ることができない」 「1991年、このエリアでは84名が殺害された。その半数以上が21歳に満たない若者だった」 母校に到着すると、バークレーはワゴン車を降りながら話
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