シェーファー氏は2007年から10年までの期間と、13年から18年までの計2度にわたり、北朝鮮大使として活躍した。同氏は「金正日でさえ、軍や他の強硬派の願いを考慮に入れなければならなかった。金正恩の立場は、おそらく金正日よりもはるかに弱い」と指摘する。 今年1月の第8回党大会で改正された党規約第26条では、党第1書記のポストを新設。「党第1書記は党総書記の代理人だ」と明記したことも明らかになった。北朝鮮では、シェーファー氏が唱える、正恩氏は統治に必要なパーツの一つに過ぎないという「金正恩機関説」の流れがますます、強まっているようにも見える。 シェーファー氏が、金正恩氏の不安定な立場を確信した根拠として挙げたのが、「私の記憶に残った会話」だ。金正恩氏が2011年12月に権力を継承してから間もない頃、「朝鮮語を使う相手」と交わした会話だ。シェーファー氏は「相手はロイヤルファミリーについて語ると