「ディープラーニング系の将棋ソフトを使いたいのですが……」──11月中旬、筆者のもとにある相談が舞い込んできた。 発言の主は、将棋のプロ棋士である広瀬章人八段。王位、竜王のタイトル獲得経験もある、トッププロの一人だ(順位戦では最上位のクラスに当たるA級に在籍)。将棋に詳しくなくても、ネットミームに親しい人なら「羽生善治さんに魂を抜かれた棋士」という画像なら見たことがあるかもしれない(本人いわく「上を向いて考えていただけ」とのこと)。 プロ棋士がコンピュータで研究する時代 将棋界では「Ponanza」が2013年に佐藤慎一四段(当時)に勝ってから、囲碁界では「AlphaGo」が2016年にイ・セドル九段(当時)に勝って以来、プロ棋士によるコンピュータを使った研究が本格化している。将棋ファンには、今をときめく藤井聡太竜王が米AMDのハイエンドCPU「Ryzen Threadripper 399