農林水産省の井出道雄次官は2日の定例記者会見で、同省が全国に設けた新規就業窓口に寄せられた約1900件の求人情報に対し、1月末までに就職に結びついたのはわずか151人だったことを明らかにした。 自動車産業など製造業で削減された派遣社員などに、農山漁村で働いてもらおうと昨年12月から始めた試みだが、今のところ、農林水産業の不人気ぶりが鮮明になっている。 就職した151人の内訳は、農場や養鶏場などの農畜産業が76人、植林作業などの林業が70人、漁船の乗組員などの水産業が5人。ただ、求人への問い合わせは7000件を超えており、関心は高いようだ。 就職件数の低迷について、井出次官は「農林水産業は、経験のない人が入って行くにはハードルがある」と分析した。 「給料が少なく仕事はきつい。待遇を改善しなければ誰も働きたがらない」(自民党議員)と指摘する声もある。