天皇家の歴史を変えた出来事はどのように起きたのだろうか。歴史作家の河合敦さんは「第32代天皇が暗殺されたきっかけは、宴会で猪を指さして言った一言だった。側にいた聖徳太子は大いに驚き、皇族や豪族たちに口止めしたが、1人の愚人が蘇我馬子に告げてしまった」という――。 【写真を見る】歴代天皇で唯一暗殺された天皇 ※本稿は、河合敦『日本史人物 死ぬほど痛いかすり傷』(三笠書房)の一部を再編集したものです。 ■史実として暗殺された唯一の天皇 第32代・崇峻天皇は、史実として暗殺されたことが明らかな唯一の天皇(大王)である。しかもそのきっかけは、ほんのささいな悪口だった。 この崇峻暗殺は、天皇家の歴史を大きく変えることになった。 崇峻天皇を殺害したのは、蘇我馬子(そがのうまこ)である。蘇我氏は、部下に渡来人(とらいじん)(大陸からの移民)などを多く採用し、大和政権の財政をつかさどるようになった。そして

