「万難を排して戦う。勝たなきゃ意味がない。期待している選手も国民も泣く」。“復興五輪”構想を胸に、2020年夏季五輪招致を宣言した東京都の石原慎太郎知事。国内の立候補都市として正式に決まった16日、都民や被災者からは「励みになる」「落ち着いてからでも」など、さまざまな声が聞こえてきた。 「今の時点でスポーツの祭典をすることを心情的にはどうかと思った」と胸中を明かした石原知事。だが、被災地の知事から「ぜひやってほしい」と賛同を得たという。佐藤雄平・福島県知事も同日、「被災地をはじめ日本全体に希望を与える五輪が開催されることを期待する」と語った。 狙いは震災復興の象徴。これに“戦後”を払拭した1964年の東京五輪に重ね合わせる向きも。 東京都新宿区の主婦、田井明美さん(69)は「復興した姿を世界に見せないといけない。子供のころ、東京オリンピックを見てわくわくした。子供にも見てほしい」と期待する