平日の百貨店を一時間ほど歩くと、それだけで確実に意気消沈する。 空気全体が、店員のため息でできているみたいな、そういう独特の湿っぽさを胸一杯に吸い込むことになるからだ。 景気対策上、都心にああいうものを放置しておいてはいけないと思う。いや、マジで。 百貨店を一巡りした私の脳内は、不況感で満たされる。だから、一階の化粧品売り場の脇を抜けて店外に出る頃には、もともと抱いていたはずの購買意欲は、雲散霧消してしまっている。それほど、百貨店の負の内圧がもたらす景況感は、真っ逆様だ。スペースマウンテンの乗り心地。暗く、低く、底の見えない感じ。どこまでも落ちていく怖さ。 今回は百貨店の、過去と現在と未来について考えてみたい。 つい先日、久しぶりに最寄りのターミナル駅のデパートを訪れた。 とあるドイツ製のボードゲームを入手するためにだ。 ついでにソフトダーツ用の部品を補充したいとも考えていた。 入店して、
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