下のエントリーで、maconnさんからコメントとトラックバックを頂いた件で、補足的な意味も兼ねて「FRBの大量供給」をどう捉えるべきかを説明してみたい。中央銀行のやっていることは普段も分りにくいが、金融危機が起きて大量の資金供給がマスコミで大々的に取り上げられると、それ自体が政策的に重要な印象をもたらす。もちろん、大量供給は「重要なこと」だが、政策運営でどういう位置づけにあるのかはあまり整理されては伝えられない。この件は何度か取り上げたが、おさらいの意味で改めてざっと解説を試みたい。 まず、中央銀行のマーケットオペレーションで最も重要なのは「金融政策」である。FRBはFF金利を今だと2%で推移させることが「金融政策」で、これは次のFOMCまで変わらない。FRBの傘下で、金融政策を実行するNY連銀は「FFを2%で維持する」ことが最重要の任務となる。そのうえで、日々いろいろなオペレーションを行