米国そして世界中で、かつては重要だった産業都市の数多くの古く頑丈なビルが、今や無用の長物となっている。しかし、ある環境イノベーターが、そうしたビルが送電網への接続に頼らずにゼロ・エミッションの都市型食料オアシスになりうることを実証した。 ジョン・イーデル氏は、シカゴの歴史あるユニオン・ストックヤードの元産業施設を、垂直型農場であり、フードビジネスのインキュベーターであり、さらには研究・教育の場でもあるという独特の空間に変貌させた。 ザ・プラントと呼ばれるその施設は、ティラピアを育て、マッシュルームを栽培し、アクアポニクスを利用して畑で野菜を育てる複合食品生産システムだ。同時に、パン屋や紅茶きのこ(発酵飲料)メーカー、さらにはビール醸造所といった小規模な食工房が集う場でもある。その上、ザ・プラントや周辺地域の事業者からの有機性食品廃棄物をバイオガスに変換し、タービン発電機のエネルギー源にする