1955 年初版の本である。ガルブレイズ自身が1997年版のまえがきで「この本が長寿を保っているのは、増刷され本屋の店頭に並ぶたびに、バブルや株安など何事か起きるのだ。すると、この本への関心が高まる」と書いている。本書は日経BPクラシックスの最新刊で9月29日初版なのなのだが、本当にタイミングが良い。 日経クラシックスはフリードマンの『資本主義と自由』、ドラッカーの『マネジメント』の4分冊とつづき本書で6冊目だ。この出版企画には拍手を送りたい。次の1 冊も楽しみだ。ところで、この本の訳者は村井章子という人で、この人の翻訳本には面白い本が多い。『コンテナ物語』、『金融工学者フィッシャー・ブラック』、『マッキンゼーをつくった男 マービン・バウアー』などだ。 さて、本書は経済学者ガルブレイズの著書だが、仕立ては大暴落を時系列で追ったルポである。大暴落後の大恐慌についての本ではない。終章の「原因と