小谷野敦「退屈論」 [2002年6月30日初版] ご存知「もてない男」の小谷野氏の退屈論である。というわけで、「もてる男」の話からはじまる。 19世紀の特異なユートピア思想家フーリエの理想社会から話ははじまる。かれの理想としたのは「すべての人間がすべての相手とセックス可能な社会」なのだという。その社会では結婚は偽善であり、エゴイズムの極致であることになる。それに対して、ある人がこういう社会は弱肉強食であって、もてる男に有利な社会ではないかといったという話が紹介されている。しかし端的に小谷野氏はそういうのって飽きないか?というのである。いくらもててもそんなの飽きるだろうと。誰だったが「好色一代男」の主人公は色事に飽きないという男の理想を表しているのだといっていたことを思い出す。 小谷野氏によれば、たいていの男の最大の楽しみは出世である。これは目的があるから、その目的がどうにも達成不能と
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