騒音や老化などで耳の奥にある聴覚の細胞が壊れると難聴になりますが、薬剤を使ってこの細胞を再生させることに、慶応大学などのグループがマウスの実験で成功しました。 難聴の新たな治療法につながる可能性があると期待されています。 耳の奥にある「有毛細胞」と呼ばれる聴覚の細胞は、音を電気信号に変えて脳に伝えていますが、騒音や老化、それに抗がん剤の副作用などで壊れてしまうと難聴になります。 慶応大学医学部とアメリカのハーバード大学のグループは、有毛細胞の周りの細胞が受けている特定の刺激をなくすと、有毛細胞に変化することに注目しました。 そして、別の薬を開発する過程で見つかったこの刺激を抑える薬剤を、難聴にしたマウスの耳の奥の「内耳」に投与したところ、3か月後には、低い音を認識する部分で有毛細胞がおよそ1.5倍に増えたとしています。 さらに、薬剤を投与したマウスに複数の音を聞かせ、脳に流れる電気信号を測