著書名 東の魔女はもういない 頒布イベント 博麗神社例大祭13 頒布場所 東4ホール つ43b 「La Mort Rouge」 本文 仮面の男 [website] 装画 サバ缶 [twitter] 第一章 かつての日本には北から南にまであらゆる場所に人間が住んでいた。最盛期には一億を越える人口を有していたと言うから、それだけの余裕があったのだろう。周りの景色から明らかに浮いたぴかぴかの道路を走る車の窓から見えるのは、正にその名残といって良い光景だった。 風雨に曝され朽ちた住宅、商業ビル、工場。もはやその痕跡を探すことすら難しい、草ぼうぼうの耕作地。どこまで北に向かってもあるのはかつての生活の名残のみだ。いい加減飽き飽きしてしまい、散々調べた目的地の情報をもう一度確認しようと、サインを描いてディスプレイを呼び出す。そしてすぐに後悔した。 胃がむかむかして気分が悪くなってきたのだ。明らかな乗り