今月14日から15日にかけて、中国主導の「一帯一路」サミットが開催された。面白いことに、中国が成果を強調するこの会合をきっかけとして、日本とインドがにわかに協力関係を強化している。この動きは、アメリカやロシアのメディアを巻き込んで注目の的になっているが、背景が少々複雑だ。政治、経済、安全保障など、利害関係は多方面に及ぶ。一帯一路サミットは、なぜ日本に対するインドの関心を深めたのだろうか? また、インドとの関係をアメリカやロシアのメディアはどのように見ているのだろうか? 入り組んだ関係性を紐解いてみよう。 ◆新たなシルクロード サミットの狙いは、中国を中心とした巨大な経済圏の構築を働きかけることだ。その規模の大きさは、「新たなシルクロード」という愛称にも表れている。サミットにはアメリカやロシアなどが参加した。大国アメリカの「親中化」で、アジア圏における中国の影響力(あるいは脅威)は一段階アッ