今年初頭に傑作ソロ・アルバム『the shader』をリリースしたばかりの電子音楽家agraphこと牛尾憲輔が、京都アニメーション制作の新作映画『聲の形』の音楽を担当。そのサウンドトラック盤『a shape of light』(ポニーキャニオン)は、『the shader』で得られた成果をさらに発展・拡大させた独自のエレクトロニカを展開しています。 牛尾が子供のころから弾いていた実家の古いピアノの、ノスタルジックで静謐な響きやノイズを加工し再構成した、残響アートもしくはノイズ・アートとも言うべき圧倒的に美しく温かく、奥行きのある音像。思春期の壊れそうに切実な心情とひたむきな思いを結晶化したような映画の世界観を見事に表すと同時に、単なる劇伴音楽の域をはるかに超えた秀逸な音響作品でもあります。サントラ盤を見て、映画を見て、原作を読み、そしてもう一度サントラ盤を聴くと感動が何倍にも増すことは請け