悪逆非道と言われ続けるヒトラーにも良い部分もあったということで、第一次大戦後のハイパーインフレと多額の賠償金に苦しみ続けるドイツを救ったヒトラーの経済政策から、現代日本に通じる経済政策を探ろうという趣旨の本です。 この本を読むと、ヒトラーが労働者などの下層民に対して優遇政策や社会的投資を大胆に行い、ドイツ経済復活を行ったことがよくわかります。 その経済政策の立て役者こそ、実は、シャハトなのですが、そのシャハトの経済政策についても分かりやすく述べられています。 失業とインフレの克服、要するに、国民の生活をいかに普通にするかということになります。 この本、それだけでなく、経済政策に成功したヒトラーが、政治的な野心を遂げるべく戦線を拡大し、シャハトとその点で対立を深め、決裂していき、最後に没落する様は、独裁政治の良い点と悪い点を浮かび上がらせています。 ただ、新書として誰でも分かりやすくという本