ドラマ「スクール☆ウォーズ」で山下真治演ずる部活教師が、ラグビー部員の頬を張る画面が涙を誘ったのは30年前。いまや熱血指導という名の下でも、体罰は「絶対悪」の時代である。ただし一方の意見のみが「正義」とされる世の中は、何がしかの窮屈な思いを抱かせる。戸塚ヨットスクール校長で、指導中に生徒が死亡したことで非難を浴びた戸塚宏氏は、今でも体罰肯定論者である。その意見に賛同することはできないが、現在の教育界の歪みを照射しているのも事実だ。ノンフィクションライターの中村計氏が訊いた。 * * * おもしろい見方だった。 北海道の男児置き去り事件について尋ねると、戸塚ヨットスクールの校長・戸塚宏は、まずはこう語り始めた。 「あの男の子は、生きていたんだよね。それは、生命力があったということ。父親がいい教育を施していた証拠。生命力をいかに大きくするか。それが教育の最大の目的だと言ってもいい」 新宿御苑を