3月10日の一部の新聞に発達障害のあるお子様の薬物治療に関する当センターの研究に関する記事が掲載されました。しかし発達障害のお子様をお持ちの保護者の方々や診療にかかわる医師の方々の一部に懸念や当惑を感じられたと伺いましたので、全国の関係者の皆様に、記事に関連した調査結果が意味することを正確にお伝えし、発達障害の治療研究の現状と今後向かうべき方向性について、少々解説を加えさせて頂きたいと考えました。 当センターは、発達障害のある方々のメンタルヘルスやQOL(Quality of Life: 生活の質)の向上を重要課題の一つとして、診断や治療に役立つ研究に取り組んでいます。特に、自閉症の早期支援は発達障害対策の要であり、根本的治療法と同様、併存する情緒や行動の問題の治療、そして医療だけでなく、保健・教育・福祉と連携した地域システムの支援に関する研究もまた重要であると考えています。発達障害のある