昔を懐かしんで楽しく酔っぱらって寝る、というだけなら罪もないが、捏造した歴史をもとに未来を決める政策がまかり通り、はたまた捏造した美しき国をもとに他国を見下げて歩く、となるとやっかいである。じつにやっかいである。ほんと、誰か止めてください。 というわけでマッツァリーノ先生の出番だ。 『反社会学講座』『反社会学の不埒な研究報告』等々、世に流布し定着してしまっている捏造や思い込みを、次々に暴きだしてきた先生。毎度毎度面白く、膝を打つばかりなのである。 先生曰く、「キレる若者」「増加する少年犯罪」と言われて久しいが、実際には昭和35年に17歳だった世代こそが、若い頃の犯罪率がとてつもなく高かったこと。「今の若者は嫌な仕事はすぐ辞める」というが、高度経済成長期の若者もすぐにやめるし、江戸時代はみんなフリーター。「ゆとり世代」とかいって学力低下を嘆くが、1960年代からすでに大学生の学力低下が叫ばれ