自民党の安倍晋三元首相と菅義偉前首相が公的な場で良好な関係をアピールする場面が増えている。両氏は第2次安倍政権の首相と官房長官として強固な信頼関係を築いたが、昨秋の菅氏の首相退陣を機に溝が生じたといわれてきた。参院選を前に2人が再び接近するのは、党内でそれぞれが求心力を維持し、岸田文雄首相に対抗する狙いがありそうだ。 【写真】菅氏の携帯を見て笑顔を見せる安倍氏 「第2次政権には圧倒的なチーム力がありました。とりわけ、官房長官を務めてくれた菅さんの存在は大きかった」。安倍氏は1月8日発売の月刊誌「文芸春秋」で菅氏をこう持ち上げた。菅氏も同月16日のBSテレビ東京の番組で「(安倍氏の経済政策)アベノミクスは成功した」と評価した。 両氏の摩擦がささやかれ始めたのは昨年9月、首相だった菅氏が自民党総裁選に出馬を見送ったときだ。当時を知る菅氏周辺は「菅氏は総裁選で安倍氏の支援を取り付けられるか自信が