<小津夜景と関悦史のトーク聞く「ふわふわしてるが深刻なんです」>(東京 柳本々々)。先日の毎日歌壇の米川千嘉子選に、こんな歌があったのがたまたま目についた。私もこのトークに誘われていたのだが、残念ながら都合がつかなかった。小津夜景と関悦史は、いま俳句界で話題になっている新鋭。小津は今年の新鋭対象の田中裕明賞を受賞、主に評論で活躍する関は、初めての評論集『俳句という他界』(邑書林)を出したばかりだ。 小津はフランス在住の女性。受賞句集は『フラワーズ・カンフー』(ふらんす堂)。「俳句を書くとは、すがたかたちなく、ただ<光と音との感触>として現前するこの世界をそぞろに歩き回る中、思いがけずして言葉を拾うのに似ている」(「ふらんす堂通信」)という。言葉の手前にある感覚と共振したいということだろう。例えば<ぷろぺらのぷるんぷるんと花の宵>などの句の言葉の質感は、いままで触れたことのないものを感じる、
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