権限委譲は組織にとって重要な課題だが、コーチングの大家ゴールドスミスは、これを発展させた「シェアード・リーダーシップ」(共有型リーダーシップ)という概念を紹介する。1人ひとりをリーダーとすることで、すべての人材の能力を最大化するという方法だ。 グローバル市場の拡大、業界再編、相次ぐ組織の合併――。こうした動きが活発化するなかで、これまで以上に求められているのが、ダイナミックな柔軟性、そして幅広い知識ベースとノウハウである。この複雑なニーズに応えうるソリューションの1つとして検証されているものがある。最も優れた能力を結集させる「シェアード・リーダーシップ」(共有型リーダーシップ)である。 シェアード・リーダーシップとは何か。その目的は、組織内のすべての人材の能力を最大限に引き出すことだ。そのために各人に権限を与え、それぞれの専門分野でリーダーとしての役割を担う機会を提供する。市場が複雑化しま