「友達がいない、かわいそうな人」という意味の若者言葉「ぼっち」。この連載では、若者世代で急速に自称「ぼっち」が増えていることを紹介してきた。こうした現象の背景や今の若者の人間関係について、2人の専門家に解説してもらった。(原田朱美)■「ソロ充」に踏み出せず 元横浜市立大教授・中西新太郎さん 他人に「ぼっち」と言われる前に自分から認める予防線的な自称「ぼっち」は、この世代ならではの態度だと思う。「コミュ障」(コミュニケーション力が低いこと)も同じ使われ方をする。十分に社会性のある子が「私はコミュ障」と言うのをよく見かける。 「ぼっち」は、元々は友達がいない人という意味だが、これだけ広く使われるようになったので、ぼっちが一種のキャラとして、集団の中で存在を認められるかもしれない。 「ぼっち学生」に対して、上の世代は「若い時には孤独は必要だ」といった助言をしがちだが、それは、ずれている。彼らはひ