私立大学に対する競争的資金配分について,いくつかのニュースが続いた。 www.nikkei.com www.kyobun.co.jp 1つめは経済財政諮問会議における議論,2つめは昨年3月から行われてきた「私立大学等の振興に関する検討会議」のまとめ案の話なので,違うものだということには留意する必要がある。 しかし,いずれも私立大学の教育の成果に応じて資金を配分するという趣旨は通底している。 タイムリーな話題であり,自身が考えてきたこととも関連するので,私立大学に対して競争的資金配分を行うことの問題点について,自分なりにコメントをしてみたい。 1 費用対効果が薄い 私立大学に対する公的資金の中心は,私学助成である。 一方昨年も話題になったところであるが,私立大学にとって私学助成の運営費に占める割合は,マクロに見れば1割程度に過ぎない*1。 1割程度に過ぎない資金の配分方法を議論したところで,