始まりは知への欲求 ものの由来を知ることは大切だ。それは面白いだけでなく、当たり前だと思っている現状を、異なる観点から見直すきっかけを与えてくれる。 たとえば、哺乳類の中耳には「つち骨」「あぶみ骨」「きぬた骨」という三つの小さな骨があり、それらが鼓膜に連動して音を聞く役目を果たしている。この仕掛けは絶妙であり、耳が聴覚のための装置であることは自明だ。ところが、中耳の由来を見ると、それは魚が陸に上がった後になって、空気を伝わってくる振動を音としてとらえるようになってからできたものであり、中耳の三つの骨は、実は顎(あご)の骨の一部からできてきたのである。 さて、大学という社会装置である。昨今は大学改革の一層の促進ということが叫ばれており、国立大学法人は(1)世界のトップを目指す大学(2)特定の分野で活躍する大学(3)地域貢献を果たす大学、の三つから一つを選び、それぞれの目標達成のための計画を立
18歳人口の減少にともない、日本の大学経営が岐路に立たされている。多くの大学が苦しむなか、本格的な「リベラルアーツ」をかかげ、優秀な学生を集めて話題になった国際教養大。開校から10年以上がたった今、同大学には、たった200人前後の学生をもとめて年間180社もの企業がおとずれる。"顧客"が減少する「レッドオーシャン」の市場で、地方の新興公立大学がなぜ競争を優位に進められるのか。鈴木典比古学長に話を聞いた。 秋田空港から5分、森のなかの学校 東京から飛行機で1時間強、秋田空港から5分ほどの森のなかにある国際教養大。周囲には住宅もまばらで、近隣にはスーパーやコンビニもない。入学定員は175人。こんなにも不便な大学にもかかわらず、出願倍率は10倍をこえる。北海道から沖縄まで全国から受験生が集まるが、もっとも多いのは関東出身者だ。 鈴木学長は、「この大学は東京や大阪の大都市だったら、うまくいかなかっ
□『あの明治大学が、なぜ女子高生が選ぶNo.1大学になったのか? 奇跡を起こすブランドポジションのつくり方』 バンカラのイメージが強かった明治大学が、「学生がおしゃれ」「女子に人気」など、この10年で激変。志願者数は11年連続で10万人を超えている。躍進の秘密を企業取材が専門の著者が探る。 女子の大学進学率上昇に加え、ホテルのようにきれいなキャンパス、1日に5000人が集まる最新設備の図書館などハード面刷新のほか、入試、就職、留学、奨学金制度など次々と新機軸を打ち出してきた同大学。
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