公正性と透明性は行政における合理的判断の前提であるが、その前提が失われており、それをまず是正すべきである EBPMの目的 筆者がEBPM(証拠に基づいた政策立案)の研究会を経済産業研究所(RIETI)で立ち上げて3年目になる。幸い優秀で熱心な学者・行政官・民間の研究者や若手の実践者の参加を得、行政におけるEBPMの実際の利用は緩やかなりとも進みつつあり、EBPM自体の有用性の認識は行政府で共有されつつある。EBPMは立法府および行政府における合理的判断を推進することを目的としている。政策には目的と手段がある。EBPMはまず目的に関し、具体的アウトカム(意味のある結果)を設定し、そのアウトカム達成に対し特定の政策という手段が有効に働くか否かを査定することにある。技術的に、そのような査定が可能な政策も多々ある。また、筆者が以前に日本の教育政策の意図せざる結果について議論したように、思い込みによ